ロールスクリーンの
窓以外の使い方事例と注意点
ロールスクリーンの窓以外の使い方を事例をもとにご紹介します。さらに、DIYで設置する際に気を付けるべきポイントやロールスクリーン自体の特性も細かく解説!
ロールスクリーンの
窓以外の使い方事例
実際にDIYしたお客様からの事例
キッチンとリビングの間に元々あった扉や壁を抜いて、間仕切りとしてロールスクリーンを設置した事例です。リビングとキッチンを繋がりのある空間にしたことでお部屋が格段に広く見えますね。また、空間を分けたい時はロールスクリーンを下げるだけなので、その時々によって部屋の使い方を変えられるのもロールスクリーンならではです。
【実際に使用されたロールスクリーン】
ロールスクリーン タチカワブラインド ラルクシールド エブリ 標準タイプ 標準生地
チェーン式 幅2545mm×高さ2450mm
こちらは扉が無かったウォークインクローゼットの目隠しとしてロールスクリーンを使用した事例です。ロールスクリーンのフラットな見た目と、カラーも壁面と合わせることで圧迫感無く目隠しができてスッキリ仕上がっていますね。操作方法も生地を下に軽く引くだけで自動で巻き上がるプルコード式を選択されているので、物を取りたい時もサッと開閉できるのが良い点です。
【実際に使用されたロールスクリーン】
ロールスクリーン 立川機工 ファーステージ ロールスクリーン デミーク 標準生地
プルコード式 幅1100mm×高さ2500mm
ロールスクリーンの活用方法を全紹介
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部屋の間仕切り
壁や扉で完全に塞ぎたくは無いけど、場合によっては仕切りたい時がある、という方はロールスクリーンを間仕切りとして使用するのも選択肢の一つです。ただし、ロールスクリーンの間仕切りにはメリットデメリットの両方があるため、どちらも理解した上で選択しましょう。メリットは価格の安さ、使用しない時は一番上まで巻き上げておけるので部屋を広く使う事もできる点が挙げられます。反対にデメリットは、開閉操作が通常の扉のようにはサッとできないため出入りが多い場所だとストレスになる点、音を遮断できない、生地によってはシルエットが透ける点等です。
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リビング階段の間仕切り
住宅の間取りによっては、リビングから扉を挟まずに階段がある場合があり、これをリビング階段と呼びます。お部屋が広く見えたり、家族とのコミュニケーションが取りやすいなどメリットも多いこのリビング階段ですが、実は落とし穴も。空気の性質上、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まってしまうため、リビング階段のある住宅では特に暖房の快適な空気が階段の方に逃げてしまい、効きが悪くなってしまいます。こういったケースを防ぎたい場合、階段にロールスクリーンを取り付けることで暖気や冷気を2階に逃げるのを防ぐことができます。メリット・デメリットは部屋の間仕切りと同じなので、どちらも理解した上で検討しましょう。
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襖の代わりに
リビングに隣接する和室やリビングの中に和空間がある住宅では、ロールスクリーンを襖の代わりとして使用する場合もあります。ロールスクリーンの生地のほとんどはポリエステル繊維ですが、ポリエステル繊維はプリント加工がしやすいという特長があります。そのため、ロールスクリーンの生地は選べる柄デザインが豊富です。もちろん和柄のラインナップも豊富で、かつ見た目はフラットでシンプルなので、和モダンなお部屋を作りやすいのがポイントです。また、ポリエステル繊維と竹材の糸を混ぜて、すだれ調に仕上げたものもあり、他の窓製品や間仕切り製品と比較しても、ロールスクリーンは生地デザインの選択肢が最も広いと言えます。
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押し入れや洗面所の目隠し
目隠し用途でロールスクリーンを使用するのは、製品の特性を考えると、実は窓の目隠しの次に相性の良い使い方です。一番大きなメリットは、開けた際に生地が上部に巻き上がるため、開口部がそのまま大きく保てるという点。押し入れ等ではよく、折り畳んで収納される折戸や、スライドして開閉する引戸が使用されます。開き戸等だと他の家具に干渉する恐れがあるため基本的に使用することができません。折戸は全開にした時に端に溜まるパネル部分が意外と大きく、引戸に至ってはパネル1枚分の幅が開口部を塞いでしまいます。その点ロールスクリーンは開口部が大きく確保でき、また目隠しで使用する際にこれといったデメリットもないのでおすすめです。
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マグネットが付くスチールラックの目隠し
スチールラックは価格もお手頃で、キッチン回りなどの物の整理に購入されている方も多いと思います。しかし、元々散らかりがちなものをラックに集めていくので、なかなかラックの中まで整理整頓するのは難しいのが現実。
これはあまり知られていませんが、ロールスクリーンの中には、ネジの代わりにマグネットで固定するタイプがあります。このマグネットタイプのロールスクリーンが、スチールラックの目隠しに最適なんです。マグネットタイプは基本的に小さいサイズのみの対応になるため、生地を巻き取るヘッド部分もコンパクトな設計になっていて、スチールラックに設置しても綺麗に収まってくれます。スチールラック程度の高さなら上げ下げも非常にスムーズなので、こちらもおすすめの使用方法です。 -
プロジェクタースクリーンとして
最近ではプロジェクターも様々なタイプが発売され、一般住宅でも簡単に使用できるようになりました。白い壁紙が貼られた壁面があれば、プロジェクターで映像を映し出すことも可能ですが、一般住宅の壁紙のほとんどに凹凸加工が施されています。この凹凸は、下地の凹凸やつなぎ目を目立たせなくするために設計されており、美しい壁面に仕上げるためには必要なものです。ただ、プロジェクターとは相性が悪く、やはり専用のスクリーンを用意した方がより美しい映像を写すことが可能になります。
ロールスクリーンにはプロジェクターの映写幕として使用することを考えられたタイプが発売されています。通常のロールスクリーン生地よりもツルっとした素材のため映像が綺麗に映り、しかも使用しない時には巻き上げて収納できるのでおすすめです。
ロールスクリーンを
設置・使用する時の注意点
ロールスクリーンを取り付ける際の基本的な知識や、実はあまりしられていないロールスクリーンで選べる操作方法や種類など、窓以外でロールスクリーンを使用する際の注意点や製品選びのポイントをまとめました!
取付場所の下地の確認は必須
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標準的なロールスクリーンは、基本的に全て壁面や天井にネジで部品を取り付けることになります。そのネジを取り付ける位置には、下地があることが取付の絶対条件になります。壁や天井の構造は、壁紙の下に「石膏ボード」と呼ばれる壁材が貼られています。その石膏ボードのさらに内側に、一定の間隔で木材の柱があります。この柱がある箇所が「下地あり」となります。下地のない場所ではネジがしっかり固定されないため、製品が落下する危険があります。下地の位置を探すのは意外に簡単にできますので、以下のページで必ずご確認ください。
取付場所の奥行寸法に注意
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ロールスクリーンを取付けたい位置に下地があるか確認できたら、次はその位置の奥行を確認する必要があります。製品の奥行サイズはそれぞれなので、まずは欲しい製品をある程度ピックアップしておきます。決まったら商品仕様を確認し、その商品の製品の奥行寸法を確認しておきましょう。(製品寸法は操作方法によっても違いがあります。)
この時、設置予定場の寸法が、製品の奥行寸法ギリギリの奥行しかないと、実は取り付けが難しいケースもあるので注意が必要です。 -
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ロールスクリーンはどの製品も「ブラケット」という部品をネジで固定して本体をそのブラケットにはめ込むという手順で取り付けます。このはめ込む作業の時に、ロールスクリーンを前方斜めに傾けて、本体をブラケットに引っかける必要があります。そのため、前方部分に製品奥行き寸法以上の余分を見ておかなければなりません。この余分の寸法は、およそですが本体の奥行サイズ×1.5倍程度確保できればほとんどの製品は取り付けができるでしょう。
賃貸などネジ穴があけられない
場合はつっぱり式
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賃貸などで原状復帰が必要な場合や、取り付けたい位置に下地が無い場合などは、つっぱり式のロールスクリーンも検討してみましょう。幅1800mm、高さ2000mmまでは対応が可能で、サイズも1mm単位指定できるため、設置予定の場所にサイズが合うならも最も手軽な方法です。今までのつっぱり式は、日がたつにつれてバネが弱まって少しずつ下にズレてしまうものが多く、あまり精度がよくありませんでしたが、2023年に発売された立川機工が製造するつっぱり式が非常に強力なタイプになっています。端のダイヤルを回すだけでつっぱりの強度が調整でき、さらに付属のレンチを使用することでより強固に固定されます。
生地の両端は必ず隙間が空く
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これはロールスクリーンの中でも大きな欠点と言える要素で、製品上部の生地巻取り部の幅に対して、スクリーンの幅が数センチ短くなり、両端に隙間が発生してしまいます。チェーンなどで開閉操作をする側は1.5~3cm程度、反対側は1.5~2cm程度の隙間があきます(隙間寸法はメーカー・操作方法によって異なる)。この隙間はロールスクリーンの構造上どうしても必要なものなので、隙間があかない製品はありません。そのため、例えば、完全にプライバシーを守りたい脱衣所の目隠しとしてロールスクリーンを使用するのはおすすめできません。少しでも隙間があることを避けたい場所なのか、そうでないのかによって判断しましょう。
1台の最大幅は3mまで
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ロールスクリーンは窓での使用を一番に考えられているため、製作できるサイズも大体窓の大きさに対応できるものまでになります。現在販売されているロールスクリーンの最大サイズは幅3mまでのため、それ以上ある開口部の間仕切りに使用する場合は、2台並べて設置する必要があります。ただ、前述した通りロールスクリーンは上部の巻取り部よりも生地の方が短く設計されているため、2台並べるとなるとその隙間は2倍になり、プライバシー性は低下してしまいます。大きな開口部に設置する場合は、あくまで完全な仕切りではなく、緩やかに空間を間仕切る用途として考えるべきです。
用途に応じた操作方法を選ぶこと
ロールスクリーンの操作方法の選び方は、ロールスクリーンを窓の目隠し以外で使用する時の非常に大事な要素です。これを間違えると、快適な空間を作るはずが使い勝手が悪く後悔することになる場合もあります。それぞれの違いや向き不向きをしっかり確認しておきましょう。
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プルコード式
ロールスクリーンの生地の最下部には、ボトムレールと呼ばれるバーが付いています。このボトムレールの中央から短く垂れ下がっているコードを引っ張って開閉するのがプルコード式です。スクリーンを降ろすときにはプルコードを下に引くとそのままスクリーンも降りていきます。プルコードを少し下に引いて手を放すとスクリーンが自動的に巻き上がる仕様です。デメリットは、スクリーンが床近くまで降りた状態から巻き上げる際に、必ずしゃがんで操作する必要があることです。自動巻き上がりのシステムは非常に快適なため、そこまで使用頻度の高くない収納スペースの目隠し等にはプルコード式を選ぶのが良いでしょう。反対に間仕切りで使用する際の操作方法としては相性が悪く、プルコードも下に垂れ下がって床についてしまうので見た目もあまりよく無いためおすすめできません。
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チェーン式
チェーン式は、ロールスクリーンの上部(巻取り部)左右のどちらかにボールチェーンがループ状になって垂れ下がっているものです。チェーンを引いた分だけスクリーンが上下する単純な仕組みなので誰でも分かりやすく操作ができて、また、立ったまま手軽に操作できるのが大きなメリットです。
ただ、天面から床面まで巻き上げ・降ろす作業をするには、チェーンを何度も引っ張って操作する必要があり、思った以上に時間がかかります。また、ボールチェーンがループ状になっているため、小さなお子様やペットがいるご家庭では、万が一首などに引っかかってしまった場合大きな事故に繋がりかねません。そういった事故を防ぐために、チェーンを上部で束ねるためのクリップが標準で付属しますが、これを毎回束ねて、外して、と繰り返すのは少し面倒ですよね。そのため、基本的に降ろしっぱなし・上げっぱなしで良い、というスペースでの使用がおすすめとなります。 -
ワンタッチチェーン式
ワンタッチチェーン式は、チェーン式同様、チェーンを引いた分だけスクリーンが降りるていきますが、巻き上げは、プルコード式のように、チェーンを少し下に引く動作をすると自動でスクリーンが巻き上がる仕様です。チェーン式のデメリットの1つであった、開閉操作に時間を要するという点がカバーできるタイプなので、使い勝手はチェーン式よりも格段によくなります。ただ、ループ状のボールチェーンによる危険性は同じですので、事故の危険性が無い環境であれば、非常におすすめの操作方法です。とくに開閉頻度の高い場所での間仕切り使用や、押し入れ等大きな収納スペースの目隠しに使用する場合はこのタイプが良いでしょう。
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スマートコード式
スマートコード式は、様々な用途で最もおすすめしたい操作方法です。ロールスクリーンの上部(巻取り部)左右のどちらかに、プルコードが垂れ下がっており、そのコードを引いて開閉操作を行います。コードを下に大きく引くとその分スクリーンが降りていき、少しだけ引くとスクリーンが自動で巻き上がります。コードが上部にあるので立ったまま操作ができ、自動巻き上がりシステムも付いている、さらにコードもループ状になっていないので安全性も高い。しかも価格もチェーン式やワンタッチチェーン式と変わらないので何もデメリットが見当たりません。このスマートコード式は日本の有名メーカー「ニチベイ」が開発したものなので、ニチベイ製品のみ選ぶことができます。
便利なオプションを使いこなす
プルハンドル・チューブグリップ
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操作方法を手軽なプルコード式にした場合は、このオプションを付けることをおすすめします。プルコード式は標準だと短いコードに垂れ下がったタイプになりますが、オプションでハンドルタイプやチューブグリップタイプが選べます。床面までスクリーンを降ろして使用する場合は、標準の操作部品だと床について転がってしまうため、オプションで変更するとよりスッキリとした見た目にできます。このオプションは無料~税込400円程度で変更可能なため、価格もお手頃です。
逆巻き仕様
ロールスクリーンは通常、窓に取り付けた場合で考えると、上部の巻取り部の奥側(室外側)からスクリーン降りてくる設計になっています。これを反対の手前側(室内側)から降りてくるように変更できるのが「逆巻き仕様」です。一見必要ない機能に思われるのですが、これが実はクローゼット等の目隠しとして使用する場合に最適なんです。理由は2点あり、1つは壁面とよりフラットに近い見た目で設置できる点です。通常巻きの場合は、壁面とスクリーンの奥行に違いが出てしまいますが、逆巻き仕様にして面を揃えると、壁面との繋がりが出てよりスマートな見た目になります。2つ目は、中の棚や物に干渉しにくい点です。スクリーンが降りるスペースに十分なゆとりがあれば良いですが、手前ギリギリまで物が置かれている場合は、逆巻き仕様にしておくと間違いないでしょう。
逆巻き仕様はタチカワブラインド、立川機工、ニチベイ、TOSOのサイズオーダー対応製品なら、天井付けに限り対応が可能です。ご購入時には選択欄が無いため、備考欄に「逆巻き仕様希望」と記載しておきましょう。
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