木材の着色方法ニス、ステイン、ワックスの違い
木材の着色は主にステインと呼ばれる塗料を使います。ステインの他には着色ニス、ワックスなどによる着色方法があります。これらの3種類の着色方法による色の変化を見ていきましょう。
3種類の塗料を比較!
使用した塗料と着色方法の違い
WOODLOVEシリーズのウォルナット色で実験
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ニス
木材の表面に色のついた半透明の塗膜を作ります。
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ステイン
木材の内部にしみ込んで木材自体に着色します。
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ワックス
木材内部に少しだけ浸透し、表面に薄い膜を形成します。
木目の見せ方の違い
浸透して染めるステインが美しい
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「夏目」と「冬目」が交互に並んでいる模様を「木目」と言います。樹木は夏によく成長し、冬はゆっくりと成長します。夏場に成長した部分は密度が低く、色も薄くなっています。一方、冬目は逆の特長を持っています。
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ニス
木材を均等に着色します。そのため、木目は無垢の状態よりも薄くなります。
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ステイン
夏目によく浸透することで木目の濃淡をはっきりと際立たせます。
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ワックス
ステインほど濃淡は出ずに、夏目の部分を中心にかすれたような着色になります。
塗り重ね回数による違い
それぞれの塗料を5回塗り
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ニス
ニスは塗るたびに塗膜が厚くなっていくため、色の濃度も濃くなっていきます。
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ステイン
塗るたびにステインを吸い込む量が少なくなり、色濃度の変化は小さくなります。
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ワックス
薄い塗膜により2回目以降は吸い込みにくく色濃度の変化は小さくなります。
木材の状態や種類による
ステイン着色の違い
木の密度が小さいと色が濃くなる
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杉 下地処理なし
よく吸い込むため色の濃度は濃くなります。粗い面ほど濃くなります。
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杉 下地処理ありし
目止めなどの処理を施している木材は、薄めの色濃度となります。
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広葉樹(カバ)
広葉樹は目が詰まっているため、色の濃度は薄くなります。一方、杉は針葉樹の一種です。
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ファルカタ
木工工作で使用する非常に軽い木は、密度が小さいため多量のステインを吸い込みます。
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木材の断面
木の断面は細い管がたくさんあり、ステインをよく吸い込むため色が濃くなります。
まとめ
木部(木材用)塗料の中では、ステインが最もきれいに木目を生かした着色が出来ました。
ただ、ステインだけでは保護機能がないために他の塗料と併用することがおすすめです。
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木の肌触りを
残したいならステインのみを使えばキレイに着色できます。その上から、蜜蝋ワックスなどを塗れば保護とツヤ出しもできます。
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塗膜も着色も
きちんとするならステインでお好みの色に着色してから、油性ウレタンニスクリヤ―を上塗りすることをお勧めします。
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何より簡単に
仕上げるなら着色ニスを薄く2回塗りするのが最も簡単です。水性ウレタンニスが乾燥も速くきれいに仕上がるのでおすすめの商品です。
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