水性ペンキの塗り方 ハケでペンキを塗る
ハケでペンキを塗るということは最も基本的な作業で、簡単ではありますが突き詰めると最も奥深い作業でもあります。水性塗料でも油性塗料でも基本的に塗り方は共通です。油性塗料の方が若干粘度が高めで、薄める場合はそれぞれの塗料に応じたうすめ液を使用する必要があります。ハケ塗りのポイントを知ってペイントDIYを楽しみましょう!
ハケでペンキを塗る準備と施工方法
ハケの準備
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新品のハケは毛が抜けやすく、ペイント中に抜けると塗ったところに抜け毛が入ったまま固まってしまいます。乾く前に取り除こうとしても、せっかく塗ったところに指の跡がついたりして汚くなってしまいます。そうならないようにハケの毛をペイント前に整えておくことで、不要な手間を省くことが出来ます。
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STEP1
遠心力で飛ばす竹とんぼのように両手でハケの柄を挟んで、勢いよくクルクルと回しましょう。遠心力で抜けている毛が飛んでいきます。
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STEP2
飛び出てる毛を取り除く遠心力で飛び切らなかった抜け毛が少しだけハケの先端から飛び出ています。指先でつまんで取り除きましょう。
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STEP3
ザラザラしたところで撫でる抜けかけの毛を取り除きます。ザラザラした面にハケを撫でるように動かしましょう。コンクリート、やすり、麻布などがよいでしょう。
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STEP4
飛び出てる毛を取り除くハケの先端から飛び出ている毛があれば、再び指先で取り除きます。これで、ペイント中に毛が抜けることはほとんどありません。
ペンキの準備
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水性ペンキのほとんどがエマルションペイントと呼ばれるもので、水の中に顔料や樹脂の成分が浮遊しています。それらは水より重く、長期間にわたり静置すると沈殿することがあります。この顔料と樹脂などを水と均一に混ぜることが重要になります。
また、ペンキ缶に直接ハケをつけてペイントすると、ごみがペンキ缶に入り込んで、次回の使用時にペンキの品質が落ちることがあるため、別容器に一度移しかえてペイントする方がよいでしょう。
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STEP1
よく振るフタがしっかりと閉まっていることを確認して、上下に30秒ほどよく振ります。よく混ぜることはムラなく仕上げるための1つのポイントです。
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STEP2
逆さまにしてよく振る逆さまにして振ることで、沈殿していた成分がよく混ざるようになります。フタをしっかりと押さえながら30秒ほど振り続けましょう。
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STEP3
フタを開ける缶オープナーやマイナスドライバーでフタをこじ開けます。1ケ所で開けるのではなく、複数個所で少しずつ開けないとフタが曲がってしまうので気を付けましょう。
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STEP4
缶のふちの溝に詰め物をする缶のふちに溝がある容器は、注ぐときにペンキがたまってしまいます。注ぐ前に、キッチンペーパーなどの詰め物をすると拭き取りが楽になります。
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STEP5
プラカップなどに移すプラカップに適量移します。使用する量が分からなければ、少なめに入れましょう。足りなくなればつぎ足せばOK。
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STEP6
ふちについたペンキを取除くフタや缶のふちについたペンキを取り除きます。ペンキが付いたままフタをすると次に開けるときに固まってしまいます。
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STEP7
フタを閉めるペンキの容器を床などのしっかりしたところに置いて、フタを閉めます。フタの真ん中ではなく、ふちの方に両手で体重をかけましょう。
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STEP8
一度逆さまにするフタが閉まっていることを確認したら、一度逆さまにしましょう。こうすることで、フタと容器の小さなすき間がペンキで埋まり密閉性が上がります。
ペンキを板に塗る
ペンキをハケで塗るという最も基本的なペイントDIYです。ペンキを塗るときの基本は「配る」→「広げる」→「整える」の3ステップ!こうすることにより、ハケの跡が目立たず、全体に均一な厚さで塗り広げることが出来ます。
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STEP1
濃度を確認する割りばしにペンキをつけて、垂れ具合を確認します。細く写真のように途切れずに滴る程度がほどよい濃度です。油性ペンキはもっと高い濃度が適切です。
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STEP2
水で薄めるもし、ペンキが濃いと感じたら水でうすめます。少量のペンキであれば、霧吹きを使えば少しずつ薄めることが出来て便利です。規定のうすめ量を超えないようにしましょう。
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STEP3
ハケにペンキをつけるハケの毛の部分の1/2~2/3くらいにペンキをつけます。全部をつけてしまうと根元までペンキが入り込み、洗うのが大変になりますし、ペイントできないので無駄になります。
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STEP4
余分なペンキを落とすハケを持ち上げても滴らない程度にペンキを落とします。プラカップのふちなどでハケをしごくようにすると、毛先も整うため一石二鳥です。
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STEP5
塗る面にペンキを配る約10cmごとの間隔で何か所かにハケでペンキを配ります。1ケ所のペンキの量としては直径3cmくらいの円で、少しこんもりとするくらいが適量です。
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STEP6
ペンキを広げる配ったペンキをなるべく均等な厚さになるように、塗り広げます。今回は写真の左右方向に往復してから、前後方向に往復してペンキを広げました。
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STEP7
整える最後にハケを通したところは、どうしてもハケの通った跡が残ります。この跡を一定方向にすることできれいな表面に仕上げることが出来ます。
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ポイント1
ハケの持ち方今回使用したのは、すじかいバケという形のもので、鉛筆のように持つとよいでしょう。他に平バケというものがあり、これは毛筆の持ち方がよいでしょう。
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ポイント2
ハケの角度ハケをペイント面にあてる角度は垂直に近い方がよいでしょう。ハケを寝かせてペイントすると、きれいにペンキが伸びません。
カラーボックスを塗る
実用的なペンキ塗りのアイテムとしてカラーボックスを塗ってみました。きれいに仕上げるためには、塗る順番や、見えない部分は塗らないということも簡単に塗るポイントです。例えば、裏面は通常の使い方ですと見えることがないため塗る必要がありません。底面は長期間にわたり静置すると床面とくっついてしまう可能性があるため、塗ってはいけません。また、下地処理も重要なポイントです。今回のカラーボックスは一般的なものと同様に、合板の上に樹脂製のうすいシートを貼り付けたものです。このまま塗ってもツルツル過ぎてどんな水性塗料も密着しません。#80~120くらいのやすりでしっかりと傷をつけることにより密着性を向上させています。詳しくは下地処理の項目を参照してください。
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STEP1
ボックス内側の奥面を塗るボックスの内側の奥の面を塗っていきます。最初にふちの部分を1周ペイントしてから平面をペイントすることにより、塗り残しが少なくなります。
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STEP2
ボックス内側の側面を塗る1面ずつペイントするとよいでしょう。ここも、ふちの部分を先に塗ってから平面をペイントすることにより、きれいな仕上がりになります。
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STEP3
ボックスを立てて少し浮かすボックスを立てて、少し底上げしましょう。3cmほど底面が地面から離れれば十分です。地面から離すことで、ペンキが垂れたときに、養生シートとくっつくことを防ぎます。
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STEP4
正面のふちを塗る正面のふちには、内側をペイントしたときにはみ出たペンキが少しついているので、このペンキが乾く前になじませることが重要です。
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STEP5
側面と天面を塗るここでもまた、前のSTEPではみ出たペンキを伸ばしながらペイントしていきましょう。ハケ目が目立つ場所ですので、一定方向に仕上げることを心がけましょう。
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STEP6
2度塗りする1回塗りでは、ムラが残るため重ね塗りをしましょう。塗る手順は1回目のペイントと同様です。十分乾いていることを確認してからペイントしましょう。
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ペンキを塗り広げた後は、ハケで一定方向に整えるということが重要です。しかしカラーボックスはくぼみがあり、整えている作業の時にどうしても他の面にハケが当たってしまって、せっかく整え終わったところが汚くなってしまうことがあります。写真のようにハケを動かして整えると隣接する面にハケが当たりにくいため、きれいに仕上げやすくなります。半乾きになると塗料が固くなり伸ばしにくくなってしまうため、1段ごともしくはSTEPごとに整え作業をしていきましょう。
使用したペンキ
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