塗膜や防汚剤の種類を詳しく解説! 船底塗料の種類
船底塗料を塗ることによりフジツボや海藻などが船の下につきにくくなり船の速度や燃費があがります。そんな船底塗料にも実は様々な種類があります。用途にあった船底塗料選びの参考にしてください。
船底塗料の種類
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主な船底塗料の
大まかな分類船底塗料を大まかに分類すると上記のようになり、a→dの順で高価・高機能です。現在の商品ラインナップはbとcがほとんどで、aの商品はなくなりつつあり、dはこれから開発が進んでいく商品です。
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防汚剤ありタイプは
塗料メーカーごとに名称が異なる防腐剤ありタイプ(a、b、c)はメーカーにより呼称が異なり、同呼称の中でも商品によって該当するタイプが違います。例えば「自己消耗型」はメーカーによってa、b、c別のタイプとなる可能性があり、「加水分解型」の場合は必ずcタイプとなります。
船底塗料のタイプ別説明
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a.塗膜が残るタイプ
塗膜から防汚成分が抜け出すことにより、生物の付着を防ぎます。防汚成分の放出速度は、一定ではなく低下していく性質があります。再塗装を施工する際には、前回の塗膜がスカスカになっているため、一度剥離してから塗装することをお勧めします。
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b.塗膜が残らないタイプ
「a.塗膜が残るタイプ」に対し、スカスカになった塗膜が水流によって削れることにより、防汚成分の放出速度を一定になるようにしたものです。欠点は、凸凹になりやすいことと、水流のない域に長期停船すると塗膜がはがれにくく防汚成分が放出されずに汚れやすいことです。
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c.塗膜が先に溶けるタイプ
防汚成分をとどめておく塗膜の成分が海水のアルカリ性と反応することにより一定の速度で防汚成分を放出します。防汚成分の放出期間は水和分解型(a、b)よりも長く安定していますが、停船している場合は防汚成分が出にくく汚れが付く可能性があります。また、海水と反応するため、淡水においては全く効果を発揮できません。
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d.シリコンタイプ
防汚成分を含まず、シリコンを用いた柔軟性のある塗膜を作ることにより、フジツボなどの足場をすくって付着を防ぐ塗料です。この塗料を施工する際には、船底の下地を鏡面仕上げにする必要があったり、補修が難しいなどの点でDIYには向いていません。
船底塗料に含まれる
防汚剤の種類
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ほとんどが銅か亜鉛
現在の船底塗料の防汚成分は、亜酸化銅または酸化亜鉛を用いたものが主流です。銅タイプは防汚効果が高く、貝やフジツボの付着防止に優れますが、発色が悪く、金属部分には使用できないというデメリットがあります。亜鉛タイプは反対に防汚効果は胴タイプより劣りますが、金属部にも使用可能です。
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昔はスズ(錫)を使用していた
防汚成分を含まず、シリコンを用いた柔軟性のある塗膜を作ることにより、フジツボなどの足場をすくって付着を防ぐ塗料です。この塗料を施工する際には、船底の下地を鏡面仕上げにする必要があったり、補修が難しいなどの点でDIYには向いていません。
進化した船底塗料
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マグロの皮膚の特性を模倣した技術
マグロは時速100km以上で泳ぐことができるそうです。マグロの皮膚の水に対する摩擦が小さいことに着目し、同様の塗膜を作りだしました。
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4%の燃費改善データ
マグロの模倣をすることで、従来の塗料と比較して4%の燃費改善につながった商品です。「第7回エコプロダクツ大賞」において「審査委員長特別賞(奨励賞)」を受賞しています。