ニスの種類ごとの塗り方
ニスの種類は数種類あり、塗り方で分けると大きく4つの種類に分けることが出来ます。最も一般的なアクリルニス・ウレタンニスは初心者でも扱いやすいニスです。ラッカーニスは乾燥が速いため、きれいに仕上げるには塗る速度が重要です。セラックニスは下塗り用のニスであるため塗る目的が他のニスとは異なります。スプレーニスは、ルールさえ守れば最も簡単できれいに仕上げることが出来ます。
アクリルニス・ウレタンニスの
塗り方
焦らずにゆっくりと薄く塗るのがポイントです。ただし、アクリルニスの中には速乾性(乾燥時間が30分以内)タイプもあるので、ラッカーニスの塗り方を参考にするとよいでしょう。
-
1.裏面から塗ろう
裏面からペイントします。まず、ニスを面全体に配ります。加減をつかむために、不要な木材で練習してもよいでしょう。
-
2.配ったニスを広げる
配ったニスを広げます。均等に広げることを重視して、ハケを動かす方向は気にしなくても大丈夫です。
-
3.木目に沿ってニスを塗る
均等に広がったら、木目に沿って一定方向にハケを動かします。面の端から端まで、途中で切らないようにしましょう。
-
4.端に垂れたニスを伸ばす
木材の端にニスが垂れている場合は、ハケで伸ばしていきましょう。
-
5.乾燥させる
表面も同じように塗っていきます。表面→側面の順に塗ると側面の厚塗りを防げます。
-
6.表面も同じように塗ろう
塗っていない面を支えにして、乾燥させます。焦らずじっくりと待ちましょう。
ラッカーニス・速乾性ニスの
塗り方
乾燥の速いニスは、すぐにねっとりとしてくるため何度もハケを通していると汚い表面になってしまいます。薄く素早く塗ることに重点をおき1回の塗装できれいに仕上げようとはせず、2回目以降の塗り重ねで全体にニスを塗るイメージを持つ方がDIYに向いています。
-
1.試し塗りをしよう
端材で練習すると乾燥の速さが分かります。表面がねっとりとするまでの時間を調べてみましょう。
-
2.裏面にニスを広げる
裏側の平面にニスを広げて矢印のように木目に沿って仕上げます。STEP1で調べた時間以内に終わるようにしましょう。
-
3.乾燥させる
一度乾燥させます。ラッカーニスは乾燥が速いため、滴になるほどニスがはみ出ていればすぐにふき取ります。
-
4.表面にニスを塗る
乾燥すれば、表面を塗りましょう。塗り方は裏面と同じです。多少は側面にはみ出ても大丈夫ですが、裏面に滴が垂れるほど塗ってはいけません。
-
5.乾燥する前に側面を塗る
乾燥する前に側面を塗ります。何度もハケを通すとニスがべたついてきます。8~9割くらい塗れれば2回目以降の塗り重ねでカバーできます。
-
6.滴をふき取る
裏面に滴があればすぐふき取ります。1回目のペイントは多少塗れていないところがあっても気にせず、急いで塗り重ねないことがポイントです。
セラックニスの塗り方
セラックニスは別名ラックニスともいい、ラック虫の成分でできています。ラッカー溶剤を使用しているため速乾性ニスほどではありませんが、比較的乾燥が速いのが特徴です。ここでは、下塗り・中塗り用のニスとしての塗り方を紹介します。
-
1.裏面にニスを薄く塗る
裏面にニスを広げて矢印のように木目に沿って仕上げます。木材に吸い込むニスなので、厚塗りにならないよう着色するようなイメージでさっと塗ります。
-
2.乾燥させる
一度乾燥させます。セラックニスは乾燥が比較的早いためすぐに乾きます。滴になるほどニスがはみ出ていればふき取ります。
-
3.表面にニスを薄く塗る
裏面が乾燥したら、表面を塗りましょう。塗り方は裏面と同じです。多少は側面にはみ出ても大丈夫ですが、裏面に滴が垂れるほど塗ってはいけません。
-
4.乾燥する前に側面を塗る
乾燥する前に側面を塗ります。何度もハケを通すとニスがべたついてきます。1辺ずつハケにニスを含ませて一筆で塗るようにしましょう。
-
5.滴をふき取る
裏面に滴があればすぐふき取ります。乾いてしまっていれば乾燥するのを待って、やすりで削り落とし、もう一度部分的に塗る方がよいでしょう。
-
6.塗り残しを確認
塗れていないところがあれば、部分的に塗ればOKですが、分厚く塗ると色が濃くなるのでちょっと広めにすっと伸ばすように塗るとよいでしょう。
スプレーニスの塗り方
スプレーニスのポイントは、薄く何回も塗るのが上手に仕上げるポイントです。湿度と気温も重要な要素で、湿度が高すぎると噴霧中に空気中の水分を含みつやがなくなります。気温が高いと乾燥して粉末になってから塗るような状態になるため、きれいな仕上がりになりません。目安として、湿度35~70%で気温は15~25℃以内の時に作業するのがよいでしょう。
-
1.スプレーを振って攪拌する
スプレーを振って撹拌します。カラカラと音が鳴ってから30秒ほど振り続けましょう。
-
2.塗布適した距離を確認
容器に記載されている距離を確認しましょう。近いと泡立ち、遠いと粉っぽくなります。
-
3.裏面にスプレーする
まず裏面をスプレーしてみましょう。左側の板の無い所から噴射し始めて、右側へ抜きます。
-
4.側面を塗る準備
次に側面を塗るため、このように塗った面を上にして、地面につかないようにしましょう。
-
5.側面にスプレーをする
側面を塗ります。なるべく真横から噴射しましょう。ここで乾燥させます。
-
6.表面をスプレーする
乾燥させたら、立てかけて表面をスプレーします。塗り方は裏面と同じです。
-
-
スプレータイプも塗り重ねと研磨を繰り返すとよりきれいに仕上がります。ハケ塗りタイプより薄い塗膜になるので、5回くらい塗り重ねてもよいでしょう。逆に1~2回塗りできれいに仕上げるのはかなり難しいと言えます。スプレーニスは乾燥時間も比較的早いものが多いので、塗り重ねてもそんなに時間はかかりません。
スプレーのポイント
-
スプレーの使い始め
スプレーの最初は、半渇きの塗料が出るので、不要な端材などに噴射して捨てましょう。
-
スプレーの使い終わり
使い終わったら、スプレーを逆さまにして1~2秒噴射し、管が詰まるのを防ぎます。
-
ラッカースプレーのポイント
ラッカーは乾燥が早いため、ボタンを押したまま往復でスプレーしましょう。
-
1回でどのくらい塗るの?
全体が濡れたようになっており、垂れていない状態がベストです。難しい場合は垂れないことを優先してスプレーしましょう。
-
塗る順番
きれいに塗れた面に飛散した塗料が少量付着すると、ザラザラとした塗膜になるので、きれいに見せたい面は最後に塗りましょう。
-
つや消しスプレー
吸い込みやすい木材につや消しタイプを使用すると、白濁りすることがあります。つや有りタイプを下塗りするときれいなつや消しになります。
-
-
ニスは研磨しながら塗り重ねると
耐久性と美観がアップニスを塗った後に研磨作業をしてさらにニスを塗るという作業を繰り返すと、光沢が出て美しくなるとともに塗膜が丈夫になり耐久性も向上します。塗り重ねるための研磨作業も大事な工程の一つです。
ペイント教室
学科編
-
豆知識
-
選び方
-
コラム
実技編
-
塗り方
-
準備・片付け
-
その他