塗料用語
塗料にはたくさんの種類があり、たくさんの用語があります。普段の生活の中では馴染みのないフレーズが塗料の容器に書かれているでしょう。その中でもよく出てくる言葉をわかりやすく解説します。きれいなペイントのために塗料の知識を増やしていきましょう。
そもそもペンキって何だろう?
壁や犬小屋に塗るような塗料のことを「ペンキ」と呼ぶことが多いでしょう。しかし、現在販売されている塗料の容器に「ペンキ」という言葉は出てきません。「ペンキ」はそもそも油性塗料の一種の名称であるからです。しかも、現在ではほとんど使用されていません。日本の家屋に塗料を塗るという文化が広まった当時は、ペンキを使用していました。その名残で塗料のことを「ペンキ」と呼び、一般化した名称となっています。
水性塗料or油性塗料
水性塗料や油性塗料という名称はよく出てきます。その違いは溶剤の違いです。水性塗料の溶剤は「水」、油性塗料は「油」です。油性塗料の方が、耐久性や仕上がりの美しさが優れている一方、「油」=「有機溶剤」のニオイがします。水性塗料は水で剥がれると誤解されがちですが、乾燥すれば耐水性があります。最近の水性塗料は性能に優れているため、社会的にも水性塗料の方がより使用されるようになってきました。
溶剤って?
塗料の成分の一種で液体です。塗料の中には色のもとである「顔料」、塗膜を作る「樹脂」などが含まれていますが、そのほとんどが固形分です。その固形分を塗りやすくするために、溶剤を入れることで塗料を液体の状態にしています。ペイントして塗料が乾燥するということは、この溶剤がすべて蒸発(揮発)したということです。油性の溶剤と同じ成分のものをうすめ液と呼び、主にペイントうすめ液とラッカーうすめ液があります。
仕上がりによる3つの用語
-
エナメル
エナメルとはしっかりと着色し下地の色や柄を透過しない状態の仕上がりを言います。また、表面に色のついた塗膜を作ります。一般的な塗料はこのエナメルに該当します。
-
ステイン
ステインは主に木部に使用します。着色はしますが、下地の柄を強調させる効果があります。また、塗膜は作らず触った質感は木材そのものと同じになります。
-
ニス
ニスの本名はワニスです。塗膜を作ることを目的とし、クリア色が基本となります。色のついたニスを着色ニスと呼び、ステインとニスを重ねペイントしたようになる塗料です。
その他のいろいろな用語
-
ホルムアルデヒド放散等級
★4つが最高で、どこにでも塗ることができます。★2~3つは居室で使用量が制限されます。屋内用の水性塗料はほとんどが★4つです。
-
シーリング・コーキング
シーリングは「ふさぐ」コーキングは「うめる」という意味合いがありますが、どちらも下地のすき間や穴を埋めるような意味合いがあります。
-
エアゾール
いわゆるスプレー塗料のことです。高圧ガスを缶に封入し、その圧力で塗料を霧状に噴出する機構をもつ容器に入った塗料のことをエアゾールと呼びます。
-
スレート
家屋の屋根に多く使用されています。スレート屋根対応の塗料をペイントしましょう。防水性が重要ですので、これも専用下塗りを使用しましょう。
-
サイディング
家屋の壁の一種です。きれいに見えても白い汚れが浮いてきたらメンテナンス時期です。サイディング対応の下塗りと上塗りをチョイスしましょう。
-
MDF
合板の一種でカラーボックス棚の裏面などによく使用されています。木材を細かく砕き繊維状にしたものを接着剤で固めた合板です。
-
脱脂・エッチング
金属などについた油脂を除去することです。方法としては、ラッカーうすめ液をウェスなどに少量付けて拭きあげるといった方法があります。
-
エマルション
現在の水性塗料はエマルション塗料が主流です。液体に固形分が浮遊している状態をエマルションと言い、牛乳やマヨネーズもエマルションに当たります。