サネ加工による違いを徹底解説!フローリングのサネ加工の
種類と歴史
フローリングのサネ加工には様々な種類があります。プロ仕様の木質系フローリングには主に「本ザネ加工」が使われ、近年ではDIY向けに便利な「クリック式」が人気を集めています。このページでは、それぞれのサネ加工の特徴や歴史について詳しく解説します。
フローリングの
サネ加工について
フローリングのサネ加工の種類
サネ加工には様々な種類がありますが、
一般的にフローリングで使われている
サネ加工は下記の3つです。
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本ザネ加工
板の一方に突き出た雄実(おざね)と、もう一方のくぼんだ雌実(めざね)が組み合わさることにより、床材同士を連結します。簡単にはめ込むことができ、縦方向、横方向のズレを防ぐことができるため、ほとんどの木質系フローリングにはこの本ザネ加工が施されています。
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相じゃくり加工
相じゃくり加工は、フローリングの端部に階段状の段差を設けることで、床材同士を連結させ、横方向のズレを防ぐことができます。フローリングにこの加工が使われることは少なく、羽目板に加工されていることが多いです。
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クリック式
サネをはめた後、ハンマーで叩いてカチッとはめ込むことで床材同士を連結できます。ボンドや釘を使用せずにしっかりと固定することができるため、DIY向けのフローリングに加工されています。
3つのサネ形状を比較!
フローリングの継ぎ目の
ズレにくさは、サネ形状の
複雑さに比例しています。
フローリングの継ぎ目が最もズレにくいサネ形状はクリック式ですが、
サネのはめ込みにコツが必要で、施工時にハンマーで叩くため大きな音が鳴るのがデメリットです。
一方、相じゃくり加工はサネ形状がシンプルなため、1.5mm厚の薄いフローリングにも加工できます。
本ザネ加工はその中間で、継ぎ目がズレにくく、サネのはめ込みも簡単です。
フローリングのサネ加工のメリット
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サネ加工のメリット(1) 下地に水が染み込みにくい
サネがあることにより、床材の下へ水が染み込みにくいのが特長です。カビの発生を抑制する効果があるため、キッチンや洗面所への施工の場合はサネ加工ありの床材がおすすめです。
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サネ加工のメリット(2) 施工しやすい
サネ加工があることによって施工が複雑に見えますが、サネ同士をはめ込むだけですき間なく並べることができるので、より簡単でキレイに施工できます。
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サネ加工のメリット(3) フローリングの反りを抑える
床材同士がしっかりと組み合わさるためズレにくく、サネの無いフロアタイルよりも仕上がりが安定します。温度や湿度の変化により床材の反りも抑えることができます。
サネ加工の無いフローリングは
フローリングのズレを防ぐための
対策が必要です
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サネ加工が無い場合の対策(1)ボンドを塗布し
強固に接着薄くて軽いサネ加工がないフロアタイルは、フローリング同士がズレやすいため、全面にボンドを塗布ししっかりと固定する必要があります。
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サネ加工が無い場合の対策(2)フローリング自体の
重みでズレを防ぐサネの加工がない置くだけタイプのフローリングは、フローリング自体の重みでズレを防ぐため、1枚1枚が重くなってしまうのがデメリットです。
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サネ加工が無い場合の対策(3)裏面に粘着剤を加工し
ズレを防ぐズレを防ぐために裏面に粘着剤を加工したフローリングもあります。粘着剤は接着剤と異なり、固まらないため床材の反りを抑えることはできません。
下地に不陸がある場合は
サネ加工ありのフローリングが
おすすめ!
フローリングを張る下地に不陸がない場合は、サネ加工なしのフローリングでも、接着剤を塗布したり、重みのあるフローリングを施工することで問題なく使用できますが、下地に不陸がある場合は、フローリングの継ぎ目がズレやすいため、サネ加工があるフローリングを選びましょう。
※下地の不陸が大きいと、サネ加工ありのフローリングでも継ぎ目が浮いてくる場合があります。
DIY向けフローリングの
サネ形状を比較!
サネ加工なしのフローリング
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ボンド施工のフロアタイル
ボンドで施工するほとんどのフロアタイルにはサネ加工がありません。ボンドを全面に塗布して接着するため継ぎ目がズレにくいからです。
フロアタイルは店舗の床材として使用されることが多く、不陸のほとんどないコンクリート面にする場合が多いですが、下地に不陸がある場合はサネ加工ありのフローリングがおすすめです。
施工方法
本ザネ加工のフローリング
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SMART FIT FLOOR
SMART FIT FLOORは、ポリプロピレンという素材で出来ています。これはDIY向けフローリングでよく使用されるPVCという素材に比べ温度変化による伸縮が極めて小さいため、床にしっかりと固定する必要がなく、サネの凹凸を合わせるだけで簡単に施工できます。
施工方法
相じゃくり加工のフローリング
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Panasonic ウスイータ
厚さ1.5mmの極薄フローリング。通常、厚みのないフローリングにはサネ加工が施されないことが多いですが、この商品には相じゃくり加工が施されており、フローリングの横方向のズレを防ぐことができます。両面テープ・接着剤で既存の床の上に貼り付けることができます。
施工方法
※耐熱タイプの場合
クリック式のフローリング
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はめ込み式フローリング クリックeuca
ハンマーでサネ部分を叩きながらカチッとはめていくタイプのDIY向けフローリング。ボンドやビスが不要で、原状回復できるため賃貸住宅にもおすすめです。
施工がしやすいように、長辺は「2G」と呼ばれるスライドイン型、短辺は「5G-i」と呼ばれるプッシュダウン型のサネ加工になっています。
施工方法
フローリングのサネ加工に
ついてもっと知ろう!
フローリングのサネ加工の歴史は?
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フローリングのサネ形状の歴史は、木材加工技術の進化と共に歩んできました。
フローリングの始まりともいえる板張りは古代の住居でもよく使用されていましたが、当時の施工はサネ形状がなく木の板を固定するだけのものでした。
古代のシンプルな並べ方から、産業革命期の機械加工技術の発展により精密なサネ加工が可能となり、20世紀には標準的なフローリング技術として確立されました。21世紀に入ってからは、クリックタイプのような新しいサネ加工技術が登場し、DIYでも施工しやすいフローリングが次々に誕生しています。
サネ加工には様々な種類があります
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本ザネ加工
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本ザネ目透かし加工
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相じゃくり加工
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相じゃくり目透かし加工
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本ザネV溝加工
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鎧張り加工
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ドイツ下見加工
サネ加工にはさまざまな種類があり、フローリングや羽目板に使用されます。羽目板の場合、装飾として板と板の間に隙間を作る目透かし加工やV溝加工などがあります。しかし、フローリングの場合はゴミが溜まりやすいため、ほとんどが本ザネ加工となっています。
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