
挽き板・突き板・シートフローリングの違いを解説! 複合フローリングの選び方
複合フローリングは表面仕上げの違いによって、挽き板・突き板・シートに分かれます。このページでは、それぞれの質感や触り心地、価格帯の違いなどを徹底解説します!
複合フローリングには
どんな種類がある?
そもそも、複合フローリングとは?
-
-
木の質感と機能性を兼ね備えた
複合フローリング集成材や合板等の基材の表面に天然木単板や化粧シート等を貼り合わせてできたフローリングのことを言います。木の質感を残しつつ無垢フローリングと違い、温度や湿度の変化に強く、膨張や伸縮が少ないのが特長です。
複合フローリングの種類は
主に3種類!
複合フローリングは表面材の違いによって種類が異なり、
「挽き板フローリング」、「突き板フローリング」、「シートフローリング」に分かれます。
-
-
挽き板フローリング
基材の合板等の表面に厚さ2mm程度の天然木単板を貼り付けたもののこと。
-
-
突き板フローリング
基材の合板等の表面に、極めて薄い0.2mm~0.6mm程度の天然木単板を貼り付けたもののこと。
-
-
シートフローリング
基材の合板等の表面に、木目柄や石目柄を印刷したシートを貼り付けたもののこと。
挽き板フローリングが最も高価で、その分メリットが多くなります。
突き板フローリングとシートフローリングは、大体同じくらいの価格帯で、性能面でも大きな差はありません。
そのため、複合フローリングを選ぶ時は、まず挽き板フローリングにするか、それ以外にするかを決めることをおすすめします。
では、3種類の複合フローリングを比較しながら、挽き板フローリングがどういう点で優れているのかを詳しく解説していきます!
-
-
複合フローリングとは異なる
無垢フローリングとは?無垢フローリングとは、天然木を切り取り加工した内部まで天然素材の一枚板です。
複合フローリングとは異なり、反りやねじれが起こるため、施工技術やお手入れ方法が重要です。
複合フローリングの
表面仕上げによる違い

質感、触り心地
挽き板フローリングのオイル塗装がNo.1!

シートフローリングも突き板フローリングも表面層が薄いため、キズや汚れを守るために硬い塗装が施されています。また、挽き板フローリングの中でもUV塗装の商品は、シートや突き板と同じで、表面にプラスチック層がある状態になるため、ペタペタとした触り心地になります。
挽き板フローリングのオイル塗装やワックス塗装などの表面をコーティングしていないタイプは天然木特有の柔らかくてさらりとした触り心地になります。

見た目の自然さの違い
シートフローリングの木目
「完璧にデザインされたくせのない木目」
-
-
シートフローリングは印刷している木目のため、節の位置などのバランスに狂いがありません。
天然木の場合、「節が人の顔に見える」などといった問題も稀にあるようで、賃貸住宅や建売住宅ではシートフローリングが採用されることも多いようです。
近年のフローリングでは、80%以上がシートフローリングと言われており、この木目の安定感もその理由の一つと考えられます。
突き板フローリング・
挽き板フローリング
「自然だからこそ出せる
個性的な木目も楽しめる」
-
-
挽き板と突き板に関しては、実際の木を切り出しているため、唯一無二の木目が楽しめます。
一方、天然の木目であるためコントロールのしようがないことはデメリットです。木目にバラつきが出るため、もしかしたら好みではない木目もあるかもしれません。自然さという意味ではシートフローリングよりも優れていますが、これを良しとするかは好みによるという結論になります。
※ただし、突き板フローリングには
一つ注意点が・・・

突き板の製法には、原木をかつらむきしたものと、原木をスライスしたものの2種類があります。かつらむきした突き板は、一度に広い面積を切り取ることができ、安価ですが、不自然な木目になることがあります。この木目をロータリー杢と呼びます。
挽板フローリングは原木をスライスしているため、板目・柾目の自然な木目になります。

キズの目立ちにくさの違い

挽き板フローリングと、突き板・シートフローリングはキズが付いたときの目立ちにくさに違いがあります。
突き板・シートフローリングには、表面をキズから守る硬いコーティングが施されているため、挽き板フローリングよりもキズが付きにくくなっています。
しかし、キズが付いてしまったときは突き板・シートフローリングの方が目立ちやすくなってしまいます。
挽き板フローリングは、小さなキズがついても、表面の天然木が削れるだけですが、突き板・シートは薄いため、シートの下の基材部分が見えてしまいます。

価格の違い
-
-
フローリングの中で最も高価なものは挽き板フローリングです。
天然木の質感を存分に楽しむことができ、無垢フローリングに比べ反りや割れが起きにくい、という良いとこ取りのフローリングです。シートフローリングと突き板フローリングは挽き板フローリングに比べ、デメリットもありますが安価な商品が多いのが特長です。
複合フローリングの
表面仕上げと価格帯をチェック!
メーカー | 商品名 | 価格(税込) | 表面仕上げ | 工法 |
---|---|---|---|---|
ikuta | プリオス JAPAN | 11,013円/ケース (3,338円/m²) |
シート | 捨て貼り |
ikuta | プリオス 介護とペット | 12,480円/ケース (3,782円/m²) |
シート | 捨て貼り |
NODA | カナエル C12・Jベース | 13,063円/ケース (3,959円/m²) |
シート | 捨て貼り |
RESTA | 天然木の挽き板フローリング | 10,913円/ケース (6,663円/m²) |
挽き板 | 捨て貼り |
ikuta | ビンテージフロアー ラスティック 2P カエデ |
28,265円/ケース (8,566円/m²) |
挽き板 | 捨て貼り |
朝日ウッドテック | ライブナチュラルプレミアム ラスティック 2P ハードメイプル |
39,600円/ケース (12,000円/m²) |
挽き板 | 捨て貼り |
ikuta | パワフルフロアーREO オーク 4P |
9,788円/ケース (2,967円/m²) |
突き板 | 捨て貼り |
DAIKEN | フォレスティア JM | 12,265円/ケース (3,717円/m²) |
突き板 | 捨て貼り |
NODA | Jクラレス | 12,934円/ケース (3,920円/m²) |
突き板 | 捨て貼り |
挽き板フローリング | 突き板フローリング | シートフローリング | |
---|---|---|---|
表面材 | 天然木単板 (約2mm厚) |
天然木単板 (約0.2mm厚) |
化粧シート |
キズの 目立ちにくさ |
○ | △ | △ |
質感・ 触り心地 |
◎ | ○ | ○ |
見た目の 自然さ |
◎ | ○ | △ |
デザインの 豊富さ |
△ | △ | ◎ |
コスト | △ m²あたり 約6,000円台~ |
◎ m²あたり 約3,000円台~ |
◎ m²あたり 約3,000円台~ |
挽き板フローリングは最も高価ですが、質感や見た目、キズの目立ちにくさなどメリットがたくさんあります。お気に入りの樹種のフローリングを長く楽しみたい方には挽き板フローリングがおすすめです。きちんとお手入れをすることで汚れやキズも味として楽しむことができます。
安価で済ませたい方は、突き板・シートフローリングを選びましょう。
中でも、自然な木目を重視する方には突き板フローリング、個性的な木目デザインや、石目柄、コンクリート柄などを選びたい方は、シートフローリングがおすすめです。
突き板・シートフローリングはキズが目立ちやすいですが、将来的にDIYで上からまた新たなフローリングを張ることもできます。

フローリングの豆知識
複合フローリングは、基材に表面材を貼り合わせたフローリングのことで、
ここまでは表面材の違いについて説明してきましたが、実は基材部分にも種類があります。
複合フローリングに使われる基材は下記の3種類の分かれます。
1.合板
2.積層材または集成材
3.針葉樹合板+MDF等
JAS規格において、この3種類を複合1種・複合2種・複合3種と分類されていましたが、現在は法改定により、まとめて「複合フローリング」と分類されています。(平成25年11月28日改正)
-
-
1.合板
最も一般的なものが、合板のみを基材に使用した複合フローリングです。合板とは、薄い木材(ベニヤ板)を、接着剤で重ね合わせたものをいいます。
木材は、繊維方向に対する力には強く、繊維と垂直の方向の力には弱い性質があります。合板は繊維の方向を交互にして接着しているため、強度が均等になるのがメリットです。木材には、強度の高いラワンと呼ばれる東南アジアを中心に分布する木材が使用されることが多いです。
-
-
2.積層材(集成材)
集成材や、積層材は細かくカットした木材を、繊維の方向を同じにして貼り合わせた木材です。合板の強度が均一なのに比べて、向きによって強度が異なります。
現在、積層材(集成材)を基材にしたフローリングは、主流ではありません。
-
-
3.針葉樹合板+MDF
環境に配慮した床材として、近年主流になってきているのが、「針葉樹合板+MDF」を基材とした複合フローリングです。
針葉樹のデメリットである強度の低さを、MDFという材料でカバーしています。MDFとは、粉砕した木材を再度板状に成形しなおしたもので、均一で高い強度を実現しています。そのままでは使えない端材等を使用できるため、エコな材料として注目されています。
表面材に比べると、基材の違いによって商品自体の性能にそこまで大きな差は出ないため、
豆知識程度にご紹介しました!
是非商品選びの参考にしてみてください。
商品をもっと見たい方はこちら!