遮光カーテンとは、昼間の明るい外の光を遮り、室内を暗くする機能性カーテンです。普通のカーテンでも閉めれば薄暗くはなりますが、遮光機能を備えたカーテンとは、光の透け具合が断然に違います。遮光カーテンはどのような部屋に適しているでしょうか。ここでは、遮光カーテンの種類や仕組み、必要性について触れていきます。
遮光カーテンの必要性
部屋を暗く保ちたいさまざまなケース
ドレープカーテンの目的は機能的な面で言うと、遮蔽、遮熱、断熱などが挙げられますが、遮光性も大きな割合を占めていると言えます。東側に向いた窓は朝日があたり、日の出の早い時期には早朝4時ごろから陽の光で室内が明るくなり始めます。カーテン生地の厚さや色によっても変わってきますが、薄く淡い色の生地ほど遮光性は低くなり、ドレープカーテンであっても、室内を暗く保つことができないことがあります。また、夜勤明けなどで昼間に睡眠を取る方もいます。良質な睡眠を取るためには、できる限り夜と同じ室内環境が必要になります。またホームシアターを楽しみたい場合や、窓の傍に街灯があるなど、部屋を暗く保ちたいケースはいろいろです。
部屋の明かりも外にもらさない遮光カーテン
夜の時間帯にも着目してみましょう。室内に照明が灯った夜は、ドレープカーテンを閉めることで遮蔽性は得られますが、遮光カーテンでない場合、室内の明かりが外に漏れてしまいます。室内での人影が映ってしまうのは、プライバシーの面からも心配ですね。このように、昼間は外からの遮光、夜は室内からの遮光の両方に対応できる機能が遮光カーテンなのです。
住宅用の暗幕「遮光カーテン」
遮光カーテンの原点は、学校の視聴覚室や体育館、病院などに使用されている暗幕です。暗幕は、スクリーンに映し出される映像を見たり、光学実験を行ったりなど、室内を真っ暗にすることだけを目的につくられた黒い幕です。単色の暗幕はデザイン性には乏しく、住宅には向かないことから、インテリア性と遮光性の機能を兼ね備えた遮光カーテンが登場したのです。
遮光性試験と遮光率の求め方
日本工業規格(JIS)では、遮光カーテンの遮光率を求めるため、試験方法を規定化しています。照度計を用いて規定の電圧の光源で試験を行い、照度から遮光率を求めるA法と、300Wまたは500Wの白熱電球を利用した輝度計を用いて、輝度から遮光率を求めるB法の2つの方法があります。試験片にも規定があり、カーテン生地なら両端から10分の1以上、端末から1m以上離れた部分を使用しなければなりません。仕立て済みのカーテンの場合は、任意のカーテンを採取し試験片とします。A法、B法、それぞれ試験片を装着した場合とそうでない場合の、照度または輝度を測定し、遮光率を求めます。「遮光率(%)=(1-装着した照度または輝度÷未装着の照度または輝度)×100」となります。
遮光マークと遮光等級
日本ファブリックス協会では、遮光性能を3つの等級に分けています。JIS規定の遮光性試験A法で、遮光率99.40%以上となったカーテン生地や縫製カーテンには、協会統一の「遮光マーク」の表示を認めています。99.40~99.80%未満は3級(人の顔の表情は分かるが事務作業はできないレベル)、99.80~99.99%未満は2級(人の顔や表情が識別できるレベル)、99.99%以上は1級(人の顔の表情が識別できないレベル)と位置づけられています。遮光1級は完全遮光と呼ばれています。また暗幕は1級のみしかありません。
遮光カーテンの仕組み
遮光カーテンは主に2種類に分けられ、カーテン生地の裏側を合成樹脂でコーティングする方法と、生地を織る際に黒い糸を織り混ぜる方法があります。前者は、コーティングすることでツルっとしたビニールっぽい質感になり、本来の布の風合いを失ってしまう欠点がありますが、生地の織り目も樹脂でコーティングされるため完全遮光が可能です。また後者は、生地に黒い糸を織り込むことで、色柄がくすみやすい欠点があり、デザイン性において明るいイメージのものが少ないことが欠点です。しかし近年では技術の進歩により、黒い糸が表面に出ないように織られ、淡い色や鮮やかな色の生地も増えてきました。
遮光裏地と遮光ライナー
通常のドレープカーテンに、遮光性のある裏地をつけることも有効的です。表地を自由に選べる点や、2枚仕立てになることで保温性が高くなる利点がありますが、遮光裏地はグレーなど濃い色がほとんどなので、表地が薄いと仕上がったカーテンの色が暗くなってしまうこともあります。またホームセンターなどでも市販されている「遮光ライナー」は、既存のカーテンに後付けすることで遮光性を高められるアイテムです。
より遮光性を高くするために
遮光カーテンを使用する際に気をつけたいことは、カーテン上部や両サイド、裾からの光漏れです。窓とカーテンには隙間が生じるため、遮光カーテンで外の光を遮っても、光漏れによって充分な遮光性を発揮できなくなってしまいます。光漏れには、カーテンボックスの設置や、カーテンの両サイドを壁側まで閉めることができるリターン仕様、カーテンの丈を長めに仕立てるなどの対策が必要です。
必要に応じた遮光等級を選ぶ
遮光カーテンの必要性や仕組み、遮光性を高めるコツについて説明しましたが、必ずしも1級の完全遮光で安眠が得られるわけではありません。ほのかに陽が透けて、明るみを帯びてきた部屋で朝を感じながら目覚めることも、人間の自然な生体リズムを整えることにつながります。ライフパターンや遮光カーテンを使用する部屋の用途などを考慮しながら、遮光等級を選ぶことをおすすめします。
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