カーペットで安全対策
カーペットや畳を敷くことで、防げる家庭内での事故もあります。高齢者や小さな子供のいる家庭には特におすすめしたいアイテムです。
気を付けたい家庭内での転倒
高齢者の事故の約6割は住宅で起き(国民生活センター調べ、2008年)、家庭内で亡くなる高齢者も少なくありません。2006年に起きた家庭内事故死の原因の約20%は「転倒・転落」です。そのうち「同一平面上」つまり「目立った段差もない床」での転倒事故死については、死亡した人の約9割が65才以上というデータがあります(厚生労働省統計)。この問題は、「床」が「すべり」やすいかどうかがポイントになるといえます。下記の表は家庭内での事故死件数の統計です。同一平面上での転倒での事故死も表記されています。
“すべりやすさ”を比べてみる
下記表は、東京工業大学が算出している「すべり抵抗値」を基にして、カーペットをはじめとする各床材の「すべり指数」値を示したものです。この値が大きい床材ほどすべりやすく、小さいほどすべりにくいことになります。注目すべきは、床面が濡れても、カーペットは他の床材に比べて「すべり指数」の増加が少ないということです。つまりカーペットは、硬い床材に比べると滑る危険性が少ないと言えます。
カーペットがなぜ滑りにくいのか
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カーペットの上で滑りそうになっても、踏み込んだ時に繊維が一時的にへこみそれが引っ掛かりとなり抵抗力が大きくなり滑りにくくなります。しかし、人は時としてすべりにくい床の上でも転倒することがあります。床で転んだとき、床から衝撃力(反発力)を受けます。カーペットは、柔らかい「せんい」でできているため、たとえ転んだり、モノを落としたりしても、ダメージが極めて少なく済みます。万が一転倒しても、カーペットはG値が小さく安全性が高いのです。
G値とは?
日本工業規格(JIS)で規定している「転倒衝突時の床のかたさの試験方法」(JIS A 6519)に基づいて調べた、各種床材の転倒時の衝撃力を表します。このG値が小さいほど衝撃力が弱く、安全性が高い床材であることを示します。
空気の層で温度差を小さく
冬場に多い“ヒートショック”
悲しいことにヒートショックが原因で亡くなる方は、年間1万人以上いると言われています。冬に暖かい室内から暖房のない廊下やトイレ、脱衣場などに移動した際に心筋梗塞や脳血管障害を起こす例があげられます。ヒートショックを防ぐ方法のひとつとしてカーペットを敷くのは有効です。
“空気の層”がカギ
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カーペットは、室内の保温効果や保冷効果、また断熱効果を高めてくれます。その理由は、カーペットには表面にパイルという毛足があり立体構造になっている為、この層に(冬は暖かい、夏は涼しい)空気をたっぷり含んでくれるからです。
『防炎マーク』もカーペット選びのポイントに
『防炎』とは、「火が着きにくい」「着いても燃え広がりにくい」という意味合いです。ウールや合繊は、燃え広がりにくい方ですが、一部燃えやすいものについては、防炎処理を施した「せんい」をブレンドしたり、カーペット生地段階で裏面から防炎加工をしたものもあります。消防法では、不特定多数の人が利用する場所などを「防炎防火対象物」として、防炎性能を持つカーペットやカーテンの使用を義務付けています。また、高さが31メートルを超える共同住宅についても防炎防火対象物と規定され、各室において使用する「じゅうたん(カーペット)」はすべて防炎性能を有するものでなければならないとされています(ただし、じゅうたんの大きさがおおむね2m²以下のものについてはこの限りではありません)。なお、31メートル未満の共同住宅や戸建て住宅においては、義務ではありませんが、防炎性能を持った製品のご使用をお勧めします。高齢者や乳幼児が犠牲になりやすい火災事故をできるだけ予防しましょう。
「じゅうたん等」の防炎性能基準
消防法にある「じゅうたん等」の防炎性能基準は、防炎性能試験の結果において、
残炎時間が20秒以下、炭化長は10㎝以下と定められています。
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消防法に定める防炎性能基準に合格したカーペットに付けられている防炎マーク((社)日本インテリアファブリックス協会)
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消防法に定める防炎性能基準に合格した「じゅうたん類」に交付される防炎ラベル(法定表示)(公共施設などの部屋の隅に取り付けられている)
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