ウッドデッキの歴史
おしゃれな一軒家やカフェでよく見かけるウッドデッキ。洋風のお家をカフェスタイルにする憧れの存在ですよね。ですが実は、ウッドデッキは日本家屋にもマッチすることをご存知ですか?最近、古民家を利用したカフェが人気ですが、そういった場所にウッドデッキが設置されていることも多いんです。ここでは、日本におけるウッドデッキの歴史をご紹介します。日本家屋とウッドデッキの深い関係を知って納得!ウッドデッキの人気の秘密がわかるかもしれませんよ。
デッキといえば甲板(かんぱん)
デッキは英語で表記すると『deck』一般的に「船の甲板」のことをいいます。船の甲板で使うことを想定してつくられたデッキシューズやデッキチェアでよく知られていますが、deck(デッキ)は船の甲板を意味するだけの単語ではありません。deck(デッキ)の語源はオランダ語で「覆い」「カバー」のこと。そして「床」という意味ももっている単語です。一般的に知られているウッドデッキは、こちらの「床」という意味で使われているのです。オランダ語の語源もあわせて考えると「地面を覆う木製の床」という感じでしょうか。
部屋から続く木製の床
ウッドデッキは、室内から外に広がったくつろぎの空間として、土地が広い海外で古くから親しまれてきました。そして1980年代のバブル経済のときは、日本でもウッドデッキが取り入れられるようになりました。当時開発が盛んだった別荘地やホテルのコテージに設置されたウッドデッキは、室内から続く空間として人気が高まり、一般住宅でもハウスメーカーからウッドデッキの設置が提案されたり、ウッドデッキのDIYが紹介されたりするようになりました。部屋から靴に履き替えずに外に出ることができる木製の床は、とても魅力的なものとしてあっという間に日本でも広がっていきました。
縁側は日本のウッドデッキスタイルの元祖?
ところで、最近の建築様式ではほとんど見かけることがなくなった「縁側」をご存知でしょうか。「縁側」とは、家屋の中につくられた室内から続く木製の床のことです。少し前の日本家屋では、部屋は畳が主流でした。そのため畳から掃き出し窓までのちょっとしたスペースとして木製の床が設けられている家が多くありました。
掃き出し窓に続いているので庭に面していることも多く、家族やご近所の方が窓を開けて縁側で談話したり、くつろいだりすることができるスペースとして利用していました。この「縁側」はウッドデッキの使われ方に非常に似ています。
日本のウッドデッキスタイル?「濡れ縁」
「縁側」は部屋としての扱いにはなりませんが、家屋の一部なので室内にあります。そのため屋根があり濡れることはありません。
この「縁側」と似たようなものに「濡れ縁」があります。「濡れ縁」は「縁側」と違って家屋の中にはありません。家屋とつながっていますが、屋外にあるため風雨にさらされる場所にあるのです。また、「縁側」は移動することはできませんが、「濡れ縁」は場合によってはベンチのように場所を移動させることができるものもあります。
濡れ縁とウッドデッキの違いって?
建築業界でも区別があいまいだという「濡れ縁」と「ウッドデッキ」ですが、一般的にこの二つは似たように考えられていることが多いようです。「濡れ縁」も「ウッドデッキ」も部屋から続いている屋外にあり、風雨にさらされる場所にあるということは同じなので明確な違いはありません。またどちらも掃出し窓に面した庭に設置され、くつろぎの場所、家事がスムーズにできる場所、子どもの遊び場といった用途に利用されていることが多いともいえます。
日本で初めてのウッドデッキ
日本に普及し始めたころは、まだ別荘やリゾート地などに取り入れられるだけで、なかなか一般家庭では設置されていませんでした。けれど2×4住宅など、海外の建築様式が一般家庭の建築として普及し始めたことにより、SPF材などの輸入木材が利用されたウッドデッキやウッドデッキDIYが一般家庭でも広がっていきました。日本に普及し始めたばかりのころのウッドデッキは、日本の風土に適したものであったとはいいにくかったようです。
日本で最初の改良点とは?
海外にならって取り入れられたウッドデッキは、当初カナダやアメリカなどが原産のSPF材やホワイトウッドを使用してつくられていました。SPF材とは、スプルース(spruce)という米トウヒ、パイン(pine)というマツ類、そしてファー(fir)というモミ類などの常緑針葉樹の総称をいいます。ホワイトウッドは、欧州産のトウヒのことです。
日本では当初、このような木材をウッドデッキに使用していました。けれど、日本の梅雨に対応するような対策が十分ではなかったため、まず改良しなければならないことは雨に負けず劣化しにくいという耐久性だったのです。
豊富な最近のウッドデッキ
こうした改良の成果もあり、ウッドデッキの人気は高まっていきました。またDIYを楽しむ人も増えたことから、耐久性だけではなく強度面も改良され、デザインも豊富になっていきました。またウリンやイぺ、セランガンバツなどの天然木のほか、人工木(樹脂木・再生木)なども揃い、今では予算や好みにあわせて、さまざまなものから自分が気に入ったものを選ぶことができます。さらにウッドデッキは床面だけではなくフェンスやラティス、デッキコンテナなどと組み合わせることで、洋風にも和風にも仕上げることが可能になる豊富な品揃えになりました。
まとめ
ウッドデッキは、洋風の外観が多くなった最近の建築様式だけのものではありません。在来工法で建築した昔ながらの住宅にも、趣のある「濡れ縁」のようなウッドデッキを設置することもできるのです。街中にあるカフェのウッドデッキはどれを観ても参考になりますよ。DIYなら今お住まいの家に最適な理想のウッドデッキをつくることができます。
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