人工木(樹脂木・合成木材・再生木材)の特長とメリット&デメリット 人工木材(樹脂木材)とは
「人工木(じんこうもく)」「樹脂木(じゅしもく)」「合成木材」は、木に似せて作られた工業製品です。木粉とプラスチックが主原料で、天然木と比べて腐食や色褪せが起こりにくくローメンテで長持ちするためウッドデッキ・フェンスをはじめエクステリアに多く使用されています。
「 人工木(じんこうもく) 」
とは?
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人工木材(樹脂木材)とは、樹脂(プラスチック)と木粉を混ぜ合わせ、押し出し成型した工業製品です。
天然木と比べて腐食・色褪せ・ささくれ等が起こりにくい特長があり、安全性や加工性にも優れているため、ウッドデッキ材としても人気です。また、天然木のような塗装などのお手入れが不要でメンテナンスフリーな利点もあります。人工木材は、ウッドデッキなど屋外用製品を長持ちさせるためにメリットの多い素材です。
人工木材(樹脂木)の種類
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人工木材といっても様々な種類があり、その違いは原材料と配合の比率で区別されます。原材料は、木粉と樹脂を混ぜ合わせたもの、樹脂のみを使用しているもの、それら以外の素材を使用したものなどに分かれます。また、樹脂にもポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂などの種類があり、木粉との配合比率によって人工木材の性質が異なります。
表面仕上げは、リブ加工、木目エンボス加工など様々なデザインがあり、形状も中空材、無垢材、スリット加工などメーカーごとに施工しやすい工夫がされています。
人工木材の安全性
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人工木材は、表面に凹凸加工を施すなど滑りにくい工夫がされています。また、天然木のようなささくれが生じにくいので、小さなお子様やペットの素足にも安心の素材です。人工木の欠点である表面温度の上昇を抑える機能を持つ人工木材もあります。
素材については、JIS規格認定(国内メーカー品)の100%リサイクル原料を使用した人工再生木材として人と地球に優しいエコ素材も取り扱っています。 海外輸入製品についても、生産工場において各種試験を実施し、安全であることが立証されています。
人工木材の加工性
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人工木材は、天然木材(ソフトウッド)を切るような感覚で手ノコギリを使ってカットできます。使い慣れた木工用工具による切断・R加工・穴あけも可能で、ビス打ちや細かい加工などの自由度が高くなっています。形状、原材料、木粉の含有量により加工のしやすさは異なります。
人工木材に多い「中空材」はカットがしやすいですが、中が空洞になっている部分があるため、ビスを打つ際は注意しなければいけない場合があります。また、天然木同様に割れを防止するため下穴加工が必要です。
人工木材のメリット(特長)
腐らない / シロアリがつかない
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木とプラスチックの複合材である人工木材は、天然木に比べて水分を含みにくく湿度にも強いため、シロアリなどに侵される心配が少なく、腐朽しにくい材料です。
しかしながら、一般的な人工木材は樹脂と木粉(おがくず)を約50:50の割合で混ぜており「木」を含むため、使用環境によっては湿気や吸水により劣化する場合もあります。とはいえ、最強の天然木と言われる「ウリン」には劣りますが、人工木材はイペやアマゾンジャラなどのハードウッドに匹敵するほどの耐久性があり、「腐りにくい・シロアリがつきにくい」といえるでしょう。
ささくれ・割れが生じない
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天然木材は、屋外で使用することにより必ずと言っていいほど「割れ」が発生します。木材の収縮や乾燥によって起こる「干割れ(ひわれ)」や、ケガの恐れがある「ささくれ」も天然木特有のデメリットですが、人工木材は割れやささくれの心配がありません。但し、中空材の場合は何らかの衝撃によって割れたり穴があいてしまうことがあるので過度の荷重がからないように注意が必要です。また、紫外線や雨水によって劣化した部分が割れてしまうこともあるので人工木の特性として理解しておきましょう。
色褪せにくい
(経年変化、退色が少ない)
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人工木材の一番の魅力はその耐久性・耐候性で、屋外に適した素材であることです。天然木材に比べて、経年変化が進む速度は限りなく低く、雨ざらしや直射日光などの過酷な環境下でも色褪せ・退色しにくくなっています。
人工木材の特性として、使用し始めてから1年ほどはある程度の退色が発生します。退色は表面層でのみ発生するため強度の劣化に影響はありません。「色褪せが全く無い」というわけではありませんが、メンテナンス塗装をしなくても極端に色褪せることが無く天然木材の様な白銀化現象(変色)は起こりません。
ナチュラルな風合いも楽しめる
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メリットの多い人工木といえど、ウッドデッキなど庭で使うものだからこそ木の質感や見た目も楽しみたいですよね。
人工木材は、一般的に木粉の配合率が多いほど天然木に近い質感や自然な風合いになります。表層面のリブデザインが天然木と同じように一本一本異なることで全体が自然に見える工夫がされたものや、サンディング加工で自然な風合いを表現したもの、エンボス加工で木目を再現したものなど、メーカーごとに表面のナチュラルな風合いを作り出しています。
カラーバリエーションが豊富
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天然木がそうであるように、人工木でもウッドデッキやフェンスの色は一般的にブラウン系が多く使われています。しかしながら、人工木材は、設置場所に合わせて豊富な色が選べるのも魅力のひとつ。建物の外壁やお気に入りのテーブル&チェアの色にテイストを合わせて統一感を出したり、人工芝のグリーンに映える色を選んだり、汚れが目立たないダークカラーにしたり、明るいグレーやホワイト系の色で海外風のおしゃれな庭にしてご近所に差をつけたり…人工木材なら各メーカーごとに様々なカラーが選べます。
人工木材のデメリット(欠点)
夏場の表面温度が高温になる
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人工木材は、プラスチック(樹脂)系の材料が使われているため熱をためやすく、特に夏場は直射日光が当たる場所では表面が高温になり、素足で歩くのは困難になる場合があります。比較的、色が濃くなるほど熱くなりやすく、メーカーによっては、熱伝導率の低い材料を使用することで表面が熱くならないものや、遮熱材を採用して表面温度の上昇を抑える機能を持たせた人工木材もあります。
熱により膨張する
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人工木材には樹脂が含まれているため、温度変化による伸縮が起こるなど、湿度・吸水による「寸法変化」が生じやすい性質があります。特に高温下では、急激な温度上昇により膨張して反りや浮きの原因となります。
そのため施工の際は、材料の伸縮を考慮したクリアランスを設けることが重要です。また、ウッドデッキの場合、適切な根太の間隔(根太ピッチ)を守って設置するように注意しましょう。
水・湿気に弱い
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人工木材は原料には10~60%木粉が含まれているため、吸湿・吸水によっても膨張(伸長)します。また、長期間多湿な環境にさらされた場合、伸びるだけでなく反りなど変形の原因となるので注意が必要です。
人工木材は天然木よりも湿度変化に強い性質がありますが、特に湿気やすい場所や、常に水がかかる場所はカビが発生しやすく反りなどの劣化が進むことがあるため、耐水性のあるものや吸水率が低い特性のある人工木材を使用するなど材料選びに注意が必要です。
製品の価格・材料費が高い
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人工木材を使用したウッドデッキやフェンスの施工費用(コスト)は、比較的高くなる傾向にあります。しかしながら、耐久性や耐腐朽性に優れる面を考慮するとランニングコストは抑えられ、長い目でみると結果的にコスト削減につながる可能性があります。
近年、人工木材が普及し人気が高まる中、低価格の材料も多くあり、天然木材よりも低コストDIYが可能な商品もありますので、一概に「人工木が高い!」わけではありませんが、専用部材などの充実により部材選びが簡単で施工しやすい分、高くなりがちということになります。
天然木材との違い
経年変化(色褪せ)の違い
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天然木
天然木材は必ず色褪せや退色が起こり、早ければ数ヶ月で色の変化が見られますが、ハードウッドの場合は耐久性はそのままに経年変化を楽しむことができます。ソフトウッドの場合、色褪せとともに劣化が進むこともあるため、塗装することで好みの色合いに変えるのがおすすめです。
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人工木
人工木材は紫外線による退色が少ない素材ですが、屋外で使用し始めてから1年ほどはある程度の退色が発生します。退色は表面層でのみ発生するため、強度の劣化に影響はありません。上に物を置いた状態で長期間放置すると、雨水の溜まりなどにより、その部分のみ退色しやすくなるので注意が必要です。
耐久性の違い
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天然木
樹種によって耐久性に大きな差があります。ウリンなどのハードウッドは硬く丈夫で何十年も長持ちしますが、スギやSPFなどのソフトウッドは衝撃に弱く腐りやすいため耐用年数は短く、約2~3年で劣化します。
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人工木
木材の配合率で多少の差はありますが、プラスチック成分の働きで腐りにくい性質があります。但し湿気やすい場所や水のかかる頻度が多いと反りや膨張など劣化しやすくなります。乾燥によるひび割れやささくれが生じず、一般的に、10~15年は問題なく使用できる耐久性があります。
メンテナンス性の違い
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天然木
耐久性に優れたハードウッドは特殊なメンテナンス不要ですが、ソフトウッドは、防腐・防虫処理、塗装などの定期的なメンテナンスが必要になります。また、樹種によっては屋外の環境下で傷んで壊れてしまい修繕や買い直しが必要になる場合があります。
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人工木
基本的には簡単なお手入れでOK。雨じみ、油ジミ等が発生した場合は、#80~120番のサンドペーパーで長手方向に研磨することで目立たなくすることができます。また、水による高圧洗浄も可能です。有機溶剤や漂白剤を用いた洗浄はNG。木材保護塗料の使用も不可です。
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