壁紙の豆知識壁紙の歴史
普段、意識することが少ないけれど身近な存在の壁紙。そんな壁紙ですが、実は色々な歴史や時代の流れに応じた発展がありました。ここでは、その壁紙の起源や歴史について、紐解いていきましょう。
壁紙の歴史について知ろう!
壁紙の起源には諸説あり、意見が分かれています。
有力な説は2つあり、発祥の地が中国という説とヨーロッパという説。どちらの説でもおよそ西暦1500年ごろには壁に紙を貼って楽しんでいたと考えられています。
ちなみに、世界最古の壁紙と考えられているのは、1509年製の英国の壁紙。
この1509年製の壁紙はざくろの模様の壁紙だったと言われており、今から500年以上も前の壁紙なのに、とてもおしゃれな壁紙だったようです。
その後、製紙技術と印刷技術が進歩し、16世紀ごろにはデザインが印刷された壁紙としてヨーロッパ各国やアメリカなどで広く使われだしたようです。
日本に壁紙の文化が伝わったのは平安時代頃、中国からとされています。
しかし、今の壁紙のようにそれぞれの家庭の壁に貼り付けるものではなく、屏風や襖、障子などとして独自に発達していきました。
特に屏風などは水墨画などが描かれるなど、当時からデザイン性が重要視されていました。
江戸時代ごろになると屏風に金箔を使用するなど、より一層デザイン面が重視され、贅沢品、芸術品として用いられるようになります。
日本で実際に壁に貼られた事が分かっているのは17世紀、茶室の腰張り(塗り仕上げの表面の砂などが落ちないように腰壁に貼った和紙)として現存するものがあります。
ただ、その頃でも一般の家庭に壁紙を貼るという文化にはなっていなかったようです。
本格的な壁紙製造が始まったのは、明治時代に大蔵省印刷局が「金唐草」と呼ばれる美術壁紙の製造を始めた時とされています。しかし、この頃でも一般家庭に普及はしておらず、美術品の一部として扱われていたようです。
今と同じように、壁紙が一般に広く普及したのは戦後と言われています。当時は、麻布などを材料とした壁紙を壁に貼って仕上げていました。
そして、戦後、日本の復興需要や東京オリンピックのホテル建設、さらに高度成長期における住宅建設ラッシュによって、壁紙が広く普及するようになります。
特に1960年代にマンションブームが起こり、住宅都市整備公団が供給した「団地型」のマンションが「新しい居住の形」として多くの人に受け入れられるようになり、マンションが受け入れられると同時に壁紙も広く普及していきました。
団地型のマンションの場合、とにかく大量に画一的な部屋を作る必要があります。そのような観点で、壁紙は重宝されるようになり、爆発的に普及するようになりました。
現在では、塩化ビニール、紙、織物など様々な素材を用いた壁紙(クロス)が数多く生産されています。
とはいえ、日本で実際に使われている素材は、大半が塩化ビニールを用いた壁紙(クロス)が主流です。その普及率は9割以上とも言われています。
また壁紙の色についても、8割以上が白かベージュの無地の壁紙となっています。
一方で海外では、白かベージュの無地の壁紙が使われているケースは珍しく、無地でも色がついていたり、模様やデザインが付いている壁紙が大半となっています。この辺りは国民性の違いとも言えますね。
ただし近年の日本では、徐々にDIYのブームも広がり、自分で壁紙を貼る人も増えてきています。
このように楽しみながら壁紙を貼る人が増えていくことによって、少しずつですが色がついた壁紙や木目柄やレンガ柄などの模様がついた壁紙なども人気になってきています。
さらに、最近では原状復帰が必要な賃貸のお部屋でも使える「貼ってはがせる壁紙」という商品も出てきていますので、今後は海外のようにおしゃれなデザインの壁紙も多くの人に受け入れられていくのではないでしょうか。
壁紙の普及と開発技術の向上によって、デザイン性が豊かな壁紙だけでなく、機能性が付加された壁紙というのも登場しています。
例えば、アレルゲンの減少機能のある壁紙や、消臭・抗菌機能のある壁紙など、特殊な機能が付いているものが各メーカーの壁紙にラインナップしてます。
また、現在、日本の壁紙(塩化ビニールクロス)にはほとんど全てのものに「防カビ」機能が施されています。当然ですが昔の壁紙にはそのような機能が施された壁紙はありませんでした。
これからは、さらにこのような機能性が付加された壁紙が一般的になっていくでしょう。
いかがでしたでしょうか。普段何気なく見ている壁紙でも、歴史や時代の流れを知ると少し楽しくなりますよね。RESTAではDIY向けの様々な壁紙を扱っているので、時代の流れに合わせて、壁紙DIYにぜひトライしてみてくださいね。
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