一般フロアタイルとの施工方法やコストの違いを詳しく ピールアップ工法で貼れるフロアタイルの特長
並べて貼っていくだけで簡単に床のリフォームができるフロアタイル。DIYでも施工しやすく、人気の床材です。では、一般的なフロアタイルとピールアップボンドで施工できるフロアタイルの違いは?施工方法、構造、コストなどを比較し、床材を選ぶ判断基準として気になる事柄をまとめました。オフィスや店舗の床、DIYリフォームに最適な床材について詳しく知りましょう!
施工方法の違い
フロアタイルの施工は、下地にフロアタイル専用のボンドを垂らし、ボンド用クシで均等に塗り広げたところに、フロアタイルを隙間なく並べていきます。
使われるボンドは施工する下地によって、変性シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂系ボンドを使い分けします。
しかし、最近ではピールアップボンドで施工するフロアタイルも多く出てきました。
ピールアップボンドとは、タイルカーペットの施工で使われてきたボンドで、下地にしっかり貼り付けるというよりも、はがす事を前提に作られたボンドです。歩行による床材のずれを防止する効果があります。
ピールアップボンドで施工すると、貼った後も剥がしやすく、粘着力が続くので、床材を剥がした後、その上から別の床材を貼り付けることができます。
そのため、部分貼り替えが容易で、従来よりDIYやリフォームしやすいのが特長です。
ピールボンドで施工できる床材には、タイルカーペットやフロアタイル、フローリングなどがあります。
ピールアップボンドについて知る
構造や見た目の違い
ピールアップ施工タイプのフロアタイルも従来のフロアタイルも1枚のサイズは様々で、木目調や石目調などの柄があります。
柄のバリエーションとしては、従来のフロアタイルのほうが幅広く、個性的な柄も選ぶことができます。一方、ピールアップボンド施工のフロアタイルは、ベーシックな木目調や石目調などインテリアを選ばない、シンプルな柄バリエーションになっています。
どちらも表面には薄いクリアコーティングがされており、傷がつきにくい加工がされているので、土足での歩行が可能です。室内はもちろん、店舗や事務所などにもおすすめです。
見た目でわかる違いとしては「厚み」でしょうか。
従来のフロアタイルは厚み約2.5mmですが、ピールアップ施工のフロアタイルは種類によって様々で、施工後の環境変化などに影響を受けにくいように少し厚めに作られています。
そのため、OAフロアなどの上に貼っても下地の凹凸が響きにくく、従来のフロアタイルよりも幅広いシーンで活躍してくれます。
例えば、あえてタイルカーペットの厚みに合わせて作られた5mm厚のピールアップ施工対応のフロアタイル。
タイルカーペットと貼り分けても段差ができない工夫がされています。スペースごとにフラットに敷き分けることができるので、OAオフィスや飲食店などに最適です。
- 構造の違い
従来のフロアタイルとピールアップ施工のフロアタイルの大きな違いは構造です。
従来のフロアタイルは、表面から「クリア層」「プリント層」「基材」の3層ですが、
ピールアップ施工のフロアタイルは基材の中に「ガラス繊維層」が含まれています。
従来のフロアタイルは室温や環境で多少の伸び縮みをするため、隙間が空いたり、浮いてきたりしないよう、下地にボンドでしっかりと貼り付けて施工する必要があります。
一方、ピールアップ施工のフロアタイルは、基材にガラス繊維の層を挟むことで、室温や環境による収縮を抑えられるので、滑り止めとしてピールアップボンドで下地に固定するだけで施工できるようになりました。
施工するための初期コストや、貼り替える場合の再コストはやはり気になるところですよね。まず、施工するためのコストを見ていきましょう。
6帖(約10㎡)をそれぞれの最安価格のフロアタイルで施工した場合、従来のフロアタイルは施工に必要な枚数とボンドを合わせて約15,500円。
それに対し、ピールアップボンド施工のフロアタイルはボンドと合わせて約26,300円とピールアップ施工のフロアタイルのほうが7割ほど高くなります。
ただ、従来のフロアタイルは張り替えごとにフロアタイルと合わせてボンドの購入が必要ですが、ピールアップ施工の場合は剥がした後に再度ピールアップボンドを塗る必要がなく、貼り替えに必要なフロアタイルの購入だけでOK。
タイルカーペットと貼り分けできることやメンテナンスの手軽さなど、価格以上のメリットがありますね。
では次に、貼り替える場合の手間を確認してみましょう。
まず、従来のフロアタイルの場合、ボンドでしっかりと貼り付けているため、剥がすのに力が必要です。また、剥がした後は下地に残ったボンドをスクレーパーでそぎ落とし、凹凸を無くす処理をします。そして新しいボンドを塗り広げてから次のフロアタイルをしっかりと貼り付けていきます。
一方、ピールアップボンド施工のフロアタイルの場合は、動かないように固定しているだけなので、多少の力は必要ですが、簡単に剥がすことができます。また、剥がした後も下地に塗ったピールアップボンドの粘着性は失われていないので、そのまま新しいフロアタイルを貼り付けていくだけで施工完了です。
従来のフロアタイルをピールアップボンドで貼りつけてはダメ?という疑問が沸くところですが、答えはNG!
一般的なフロアタイルは、貼り付けた後、室温の変化で収縮する性質があるため、ピールアップボンドで施工すると下地から浮いてしまったり、反り返りができてしまう可能性があります。
両面テープなどで一時的にフロアタイルを貼る方法もありますが、こちらも室温の変化で隙間が開く可能性があるので、長く美しく保つには、ボンドでしっかりと貼り付けましょう。
逆に、ピールアップボンド対応のフロアタイルを従来のボンドで施工する場合は問題ありませんが、貼り替えの際は従来のフロアタイルと同じ工程になります。
どちらを選ぶか?
初期コストを抑えたい方や貼り替える予定のない方は、従来のボンドでしっかり貼り付けるタイプのフロアタイルがおすすめ。
貼り替える予定があったり、OAフロアの上に二重床として施工する場合は、貼り替え作業やメンテナンスが簡単なピールアップボンド施工のフロアタイルがおすすめです。
どちらのフロアタイルも釘などを使わず、並べて貼り付けていくだけで簡単に施工できる床材です。コストや手間を考えて、目的や用途に合わせたフロアタイルを選びましょう。
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