床材の違いを知ってDIYを楽しもうフローリング・クッションフロア・フロアタイルの違い
DIY施工できる床材の中でも人気のクッションフロアやフロアタイル。同じような木目調だけど、フローリングと何がどう違うの?どれを選ぶのがベスト?施工方法が簡単なのは?ここでは、それぞれの床材の特長、構造や施工方法の違い、施工に適した場所などを詳しくご紹介します。
構造の違い
フローリングは、木材特有の温もりや香りを感じることができ、素足で歩いた際、足裏に当たる感触が優しいことから、住宅のリビングなどに最も多く施工されている床材です。
フローリングの種類には、無垢フローリング(無垢材単層フローリング)と合板フローリング(複合フローリング)があります。
無垢フローリングは天然木を板状にカットし、結合するためのサネの加工を行ったもので、天然の木目が美しく、独特の風合いが特長です。
合板フローリングは薄い板を何枚にも重ねた集成材で、その集成材にサネ加工を行っています。無垢フローリングに比べ、反りなどが起こりにくく、施工しやすいのが特長です。
また、合板フローリングには、裏にスポンジを貼り付け、階下への足音の響きを軽減する効果のあるマンション用防音フローリングなどもあります。
サネとは?
サネとは、フローリングの両端につけられた凹凸のことで、凹を「雌さね(メザネ)」、凸を「雄さね(オザネ)」と呼びます。
フローリングを施工する時は、オザネにメザネを嚙み合わせて連結していきます。
クッションフロアは、幅の広い(幅約2m)塩化ビニル系シート状床材です。
住宅用、店舗などにも使いやすい土足対応タイプ、厚みのある衝撃吸収タイプなどの種類があります。どのタイプにも木目調や石目調をはじめ、様々な柄デザインから選ぶことができます。
継ぎ目が出にくく、水分を通さないため、キッチンや洗面所、トイレなどの水まわりの床に多く使われています。
住宅用のクッションフロアの構造は、表面からクリア層、プリント層、発泡層、不織布の4層構造になっており、やわらかい踏み心地が特長の、クッション性のある床材です。
土足対応のクッションフロアは、住宅用の構造とほとんど変わりませんが、表面のクリア層が強く、中にはざらざらとした加工がされている物もあります。
衝撃吸収タイプは、住宅用の発泡層と不織布の間にスポンジ層があり、踏み心地がよりふんわりしているのが特徴です。
フロアタイルは、薄い塩化ビニル系のタイル状の床材で、並べて貼るだけという手軽さから、DIYでよく施工されています。土足対応で様々なデザインから選ぶことができるため、店舗でも多く使用されています。
フロアタイルの構造は、表面からクリア層、プリント層、基材の3層構造になっており、厚みは約2.5mmのものが一般的です。やわらかいので簡単に折り曲げる事ができ、施工がとてもしやすくなっています。
また、フロアタイルにはタイルカーペットと敷き合わせても段差が出ないようにつくられた厚み約5mmのものもあり、タイルカーペットと同じピールアップ工法で施工が可能な物もあります。
ピールアップ工法で施工できるフロアタイルは、置敷きフロアタイルと呼ばれ、間にガラス繊維層を挟み込んだ4層構造になっています。
施工方法の違いは?
フローリングの施工方法には「根太貼り」「捨て貼り」「直貼り」の3通りあり、戸建てには根太貼りと捨て貼り、マンションには直貼りが多く採用されています。
施工方法によってボンドの付け方は違いますが、基本的にはボンドで下地に接着し、フローリング同士のサネをはめ込みながら貼り進めていきます。根太貼りと捨て貼りはフローリングを釘やビスで固定しながら貼り進める必要があります。
フローリングを施工するには、何枚ものフローリング材をカットする必要があることと、サネの入れ込み作業や釘打ちなど、力を必要とする作業が多く、DIYでの施工としてはクッションフロアやフロアタイルよりも難易度が高くなるでしょう。
クッションフロアの施工は、ボンドか両面テープで行います。
下地にボンドを塗り(または両面テープを貼り)、クッションフロアを並べて貼り付けたら、余分な部分をカッターでカットします。その後、継ぎ目や隙間を埋める仕上げ処理をすれば完成。
クッションフロアは柔らかいので、はさみやカッターで簡単に切ることができ、施工難易度は比較的低く、DIYが初めての方でも気軽に挑戦しやすい床材でしょう。クッションフロア施工専用のカッターを使えば、キレイに簡単にDIYを進めることができます。
トイレなど、クッションフロアの幅より狭い床幅の空間なら、継ぎ目処理の必要がなく、さらに簡単にDIY施工することができますよ。
フロアタイルの施工方法は、下地にボンドを塗り、部屋の中央から外側に向かって並べて貼り進めていきます。フロアタイルはカッターでカットできるので、部屋の端部などは、必要な長さにカットしながら貼り付けていきます。
カットの方法は、フロアタイルの表面にカッターで切込み入れ、それに沿って折り曲げ、最後に繋がっている部分を切り離せばOK。
フロアタイル1枚は軽く、カットの際もそれほど力を入れず作業できることから、クッションフロアと並んでDIY施工しやすい床材と言えます。
シーン別おすすめ床材
小さなお子様やペットがいるご家庭なら、遮音・衝撃吸収タイプや消臭機能タイプの機能性クッションフロアがおすすめ。
うっかりジュースなどをこぼしてしまっても、目地の隙間がなく水分が浸透しないので、お掃除も簡単です。
デザイン性を求める場合は、フロアタイルがおすすめ。リアルな石目模様や華やかなパターン柄などが豊富で、複数のカラーを市松模様に並べたり、パネル状床材ならではの楽しみ方ができます。
ゆったりリラックスした空間を求めるならフローリングがおすすめです。特に無垢フローリングなら、天然木ならではのあたたかい風合いや時間の経過によって変化する無垢の色合いなどを楽しめます。
ただ、無垢フローリングは天然の木材からできているため、湿度などで膨張・収縮し、継ぎ目の隙間が広くなったり、詰まりすぎたり、まれに突き上げが起こることがあります。
しかしそれは、木材として切り出された後も、木が湿度を吸って吐いて「呼吸」しているということで、人工の床材では味わえない自然の機能ということですね。
水の飛び散りなどが起こりやすい場所には、水分が浸み込まず、汚れてもさっと拭き取るだけでOKなクッションフロアがおすすめです。
ナチュラルな木目やかわいらしいタイル柄など、豊富な柄バリエーションで、殺風景になりがちな水まわりの足元をおしゃれに彩ります。
また、機能バリエーションも豊富なので、トイレには消臭効果のあるクッションフロアを、脱衣所には厚みのあるクッションフロアを選ぶなど、それぞれに応じて使い分けてもいいでしょう。
玄関へとつながる廊下には、専用の框材(かまち材)や玄関巾木、見切り材などが揃う合板フローリングがおすすめ。
フローリング各メーカーの框材はフローリングの厚みやカラーバリエーションに合わせて作られており、戸建ての廊下から玄関にかけての段差などがすっきり収まります。また、マンションではフローリング用見切り材を使えばフローリングの断面をすっきりと隠すことができます。
靴を脱ぎ履きする玄関土間は、フロアタイルや土足対応クッションフロアがおすすめ。
どちらも表面に土足対応のコーティングがされており、靴のまま歩いてもキズが付きにくく、お手入れも簡単です。
玄関土間には、白系の石目柄や明るい色のタイル柄を選ぶと、玄関の印象が明るくなります。泥で汚れることの多いご家庭の玄関には、茶系のテラコッタタイル柄などを選ぶと汚れが目立ちにくくおすすめです。
施工場所に応じておすすめな床材は多様にありますが、どんな床材でも施工手順や必要な道具、コツなどをしっかりと予習してイメージを膨らませることで、DIYを成功させることができます。
RESTAのDIY教室なら床材ごとの施工方法や特徴などを動画や写真で詳しく解説しているので、DIYに初めて挑戦する方でも安心して始められますよ!
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