DIYペイントの塗料選び水性エマルションペイントとは
ここでは水性のエマルションペイントについて説明します。一般的に使われているほとんどの水性ペンキがこれにあたります。塗料の化学的な側面や専門的な知識についても、分かりやすい具体例を使ってご説明します。
エマルションとは英語でemulsionと書きます。
化学用語なので、塗料だけではなく化粧品においても使われる言葉です。
エマルションとは、「水と油のように互いに溶け合わない液状のものが、一方が他方に微細な液滴として分散したもの」のことを指します。
簡単にイメージするなら、分離型のドレッシングを使うときにボトルを振って混ぜて使いますよね。その混ざった状態が保たれているものです。
ほとんど全てのペンキのパッケージには「容器をよく振ってから使ってください」というようなことが書いてあります。これは、エマルションペイントだからです。
分離している状態をよく混ぜてから使い、塗装時に塗りムラが出ないようにします。
身近にあるエマルション
日常の物質に置き換えると、化粧品の乳液やクリーム、マヨネーズ・バター・生クリームもエマルション状態にあります。
これらは油脂成分と油脂成分以外のものが混ざり合ってできたものなので、エマルション物質なのです。
化粧をする女性にとっては必需品である化粧落とし。その中にはメイク落としオイルという製品があります。
この製品はオリーブオイルやミネラルオイルを主成分とします。このオイルを顔の上で滑らせると化粧とオイルが馴染みます。
そこにさらに水やお湯ですすぎを加えて落とすのですが、この水やお湯を加える過程を「乳化」と呼ぶことがあります。
顔の上には油分、しかしその油分を水ですすぎ落とすため、顔の上で油と水が混じり合う乳化現象を起こすのです。
この乳化現象がすでに起こっており均一に混ざり合ってる状態の塗料を、エマルション塗料(エマルションペイント)と言います。
エマルションペイントは、本来相入れない液状の物質同士が均一に混ざり合った状態の塗料です。EPと呼ばれたり書かれたりもします。
エマルションペイントという名称だけではなく、ラテックス・ディスパーション・ミクロスフェアとも呼ばれ、呼ばれ方はメーカーによって様々です。
エマルションペイントの種類は大きく2つに大別でき、水で薄めることのできる水性と、溶剤を使って薄める水性ではないものです。
水性エマルションペイントは水で薄めることができます。エマルションペイントには水性ではないものもあり、水性ではないものは指定の溶剤を使って薄めます。
水性では合成樹脂を使われているものが多く、アクリル系樹脂のエマルションペイントが最も多いとされています。
他にもアクリルをベースとしながらも、より強固なウレタン、シリコン、フッ素を混合させた樹脂を使用したものもあります。
使用において最も注意すべきことは「よく混ぜること」。それさえ守れば塗りやすく最も身近なペンキとして活用できるでしょう。
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