DIYペイントの豆知識ペンキは何年で塗りかえる?
塗料は、色彩や光沢を与え美しく見せる効果と、素地を保護するという主に2つの役割を持っています。しかし、その効果は年月と共に低下してしまうため、定期的に塗りかえる必要があります。では、いったい何年ほどでメンテナンスを行えばいいのでしょうか?
種類別による塗りかえ時期の目安
樹脂、顔料、添加剤、溶剤などを混ぜて作られるペンキの耐久年数は、塗膜を生成する主成分である「樹脂」の違いによって変わってきます。
現在、流通している塗料には、さまざまな樹脂が使用されていますが、ここでは、代表的な5つの樹脂の耐久年数をご紹介します。
「ペンキ」とは、植物油などで稀釈するオイルペイント(OP)のことを指しますが、昨今では、合成樹脂調合ペイント(SOP)を含めて呼ぶのが一般的です。
OPよりもSOPの方が耐久性に優れていますが、それでも、屋外で使用した場合は長くて5~6年、劣化が早ければ3~4年で塗りかえが必要となります。
現在では、使い勝手がよいワンランク上の塗料が、同等のお値段で販売されているため、OPやSOP需要は減少傾向にあります。
登場当初は、建物の屋根や外壁にも用いられていましたが、屋外環境での耐久性が6~8年と短いため、現在では、建築の現場塗装で使われることはほとんどありません。
しかし、艶が美しく発色が良い、高温でも変色しにくい、価格が安いといった長所があるほか、木材、金属、プラスチック、コンクリートにも塗装でき、重ね塗りも可能なので施工性は優れています。
素人でも扱いやすい塗料なので、DIYの塗料としてもおすすめです。
ウレタン樹脂塗料とは、ポリオールと呼ばれる樹脂とポリイソシアネートという硬化剤を組み合わせた塗料の総称で、塗料業界では、ウレタンといえばポリウレタンのことを指します。
密着性に優れているほか、価格や耐久性、機能性などのバランスが良いことから、シリコン樹脂が出てくるまでは、様々な用途に用いられてきました。
以前は主力商品であったため、さまざまな商品が展開されているのが魅力です。
シリコン樹脂塗料とは、ケイ素と炭素によるシロキサン結合を用いた塗料です。
この結合は風雨や太陽光、温度変化などに対し、変質や劣化を起こしにくい「耐候性」がとても高いことが特長です。
シリコンの含有量に規定がないため、含有率によって性能は左右されますが、耐久年数は一般的に10~15年ほどとされています。
シリコン樹脂の結合よりもさらに強い結合をするのがフッ素塗料。現在、最も耐久性が高い塗料と言えるでしょう。
ただ、塗装面への密着性はアクリルやウレタンに劣るため作業性は劣ります。
価格は少々お高くなりますが、15~20年も塗りかえが必要なくなるので、長期的に考えるとお財布に優しい塗料です。
ペンキの耐久年数は、主成分である樹脂の違いや、様々な条件により異なるため、最終的にはご自身の目で確認して、塗りかえを判断しなければなりません。
ペンキを塗りかえるサインとしては、以下のような症状があげられます。
・色褪せ(褪色)や汚れ、カビが目立つようになった
・塗膜がはがれて素材にサビや黒ずみ、腐敗がみられる
・塗料をこすると手に白い粉がつく、白化現象(チョ―キング)がおこる
・塗装が膨れていたり、ひび割れ(クラック)が入っている
これらの症状を放置しておくと、どんどん劣化が進みます。劣化が進むと下地にまで影響を及ぼすことがあり、その場合は標準的な塗り替えだけでは不十分となってしまいます。
おすすめは親水性を持ったフッ素塗料です。15年から20年先はおそらく水性塗料が主流です。次の塗り替えが容易に行える塗料選びも長期的なメンテナンスとして大事なポイントです。
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