正しいお手入れ方法でキレイが続く!ビニールレザーのお手入れ方法
ビニールレザー(フェイクレザー・合皮)は耐水性に優れているため、汚れてもさっとひと拭きできれいになりますが、メンテナンス次第でより長持ちさせることが可能です。ビニールレザーをずっと綺麗な状態で保つために、まずは生地の特性について知りましょう。
PUレザーとPVCレザーの違い
ビニールレザーはPUレザーとPVCレザーがあります。
PUレザーとは、織物や編物の基布の上にポリウレタン樹脂の表層を型押ししたものです。フェイクレザーや合皮と呼ばれることも多く、これらは主にPUレザーを指した名称です。
一方PVCレザーは塩ビレザーとも呼ばれ、基布の上に塩化ビニルの表層を型押ししたもを指します。
使用しているとどちらも劣化しますが、それぞれ違った現象が起こります。
PUレザーの劣化とお手入れ方法
PUレザーの耐久年数は、手帳などに使われるもので1~3年、スポーツシューズで5年、家具用のレザーで10年と言われていますが、PUレザー誕生当時は劣化が大きな問題となりました。
最も代表的な劣化は、ポリウレタンの特性のひとつである「加水分解」があります。
加水分解とは、水に濡れたり湿度の高い環境において、ポリウレタン樹脂が水分に化学反応を起こし分解され、表面がベトベトとしボロボロになっていく特性です。
1960年代前半、鞄や靴などの表面に使用されるPUレザーが開発され、1960年代後半にはソファなどの家具にも利用されるようになりました。
しかし早い段階での品質劣化が問題となり、家具に使用されなくなり生産も鈍化します。
その後1980年代になると再びPUレザーの開発が始まり、現在では加水分解が起こりにくいものが登場しています。
品質基準も設けられたことで耐久性のある高品質のPUレザーが普及するようになりました。
ジャングルテストとは、湿度95%室温70度の環境の中で、PUレザーの耐久年数を調べる劣化促進試験です。
PUレザーの劣化が起きるのは、主に生活している中での湿度が要因となっています。ジャングルテストの室内環境設定での1週間は、一般的な生活環境の1年分に相当するとされています。つまり、10週間の試験をクリアしたPUレザーは、10年間の耐久年数があると評価できるのです。
各メーカーでも10週間のジャングルテストを行い、劣化が見られなかった場合のみ合格となり、製品化されます。
普段のお手入れでは乾拭きが基本となります。柔らかいきれいな布で乾拭きをしましょう。
液体などをこぼしてしまった時は、すぐにティッシュなどで拭き取ります。
液体を拭き取ってもその成分が生地に残っているので、30度前後のぬるま湯に固く絞った布で水拭きした後、必ず乾拭きをして完全に乾燥させます。
耐水性があるのですぐに染み込んでしまうことはありませんが、時間が経つとシミになって取れなくなる可能性があります。早めの対処を心がけましょう。
汚れが落ちない場合は、中性洗剤を薄めた液で水拭きをします。その後、洗剤を拭き取るための水拭きと、仕上げの乾拭きを忘れずに行いましょう。
PVCレザーの劣化とお手入れ方法
PVCレザーは、PUレザーに比べ安価ですが、その分質感も多少劣る場合があります。
耐久性・耐水性が高く、メンテナンス性に優れますが、PUレザーのような通気性がないので、夏はベタつく感触がします。
経年による劣化に関しては、PUレザーではベトベトしてボロボロするのに対し、PVCレザーはカチカチでボロボロになる現象や、ひび割れが起きます。
また、60度を超える熱には弱く、熱湯をこぼすと表面が溶けてしまうこともあります。
アルコールが接触することで硬化する性質もありますが、耐アルコール性や耐薬品性など、いろいろな機能を付加している製品はその心配がありません。
PVCレザーもPUレザー同様に乾拭きが基本ですが、より耐水性があるので、汚れた時は薄めた中性洗剤で拭くことも可能です。その後の水拭きと乾拭きは必ずしましょう。
熱に弱いので、長持ちさせるためにも直射日光が当たる場所や暖房器具の側には置かないことです。
耐アルコール機能や耐次亜塩素酸機能があるPVCレザーでも、薬剤を使用して拭いたあとは、必ず水拭きと最後の乾拭きが必要です。
PUレザー・PVUレザー共通のお手入れ方法
ソファや椅子では、座ったことで汗や皮脂が付着するので、日頃からこまめに乾拭きをすることをおすすめします。また、座面と背もたれの隙間にはホコリやゴミが溜まります。
ゴミの成分のほとんどが油を含んでおり、放っておくと劣化の原因となります。
隙間のゴミは掃除機の隙間ノズルを使用して、表面に傷が付かないように気をつけながら吸い取りましょう。
ビニールレザー
(フェイクレザー・合皮)
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