小物DIYを楽しもう!ビニールレザーをミシンで縫うコツ
家庭用ミシンでも針や糸など適したものを使用すれば、厚みのあるビニールレザー(フェイクレザー・合皮)も縫うことができます。必要なミシンパーツや活用法、縫い方のコツをご紹介します。
ビニールレザーが縫えるミシンとは?
ミシンの種類
家庭用ミシンには、電動ミシン、電子ミシン、コンピュータミシンがあります。
昔は電動ミシンが主流でしたが、現在では刺繍ができるコンピュータミシンや電子ミシンが広く普及しています。
電動ミシンはモーターに直接電気が送られるので、スピードを速めることでパワーが出る仕組みです。
それに対し、電子ミシンはモーター駆動を電子制御しているので、スピードがゆっくりでも一定のパワーで縫うことができます。
コンピュータミシンはさらに、刺繍ができたり縫い目の種類が多く、内蔵されたコンピュータで制御された高機能ミシンです。
ビニールレザーが縫えるミシンは?
ミシンの価格は高機能であれば高価になってきますが、使用モーターのパワーでも変わってきます。モーターは家庭用の低価格モデルで60W、高価格モデルで80Wぐらいです。
ビニールレザーは、厚さが約1mm程度なので、二重、三重にして縫うとそれなりの厚さになります。
コンパクトミシンのような低出力のミシンでなければ、厚みのある生地も縫うことは可能ですが、ビニールレザーの場合、スムーズな布送りができるかが重要なポイントとなってきます。
ビニールレザーをスムーズに送るための押え金は?
ビニールレザーは滑りにくいので、標準の押え金ではうまく縫えないことがあります。
各ミシンメーカーでは、生地や用途に合わせて専用のアタッチメント押え金を販売しています。レザーをミシンで縫うときには「スムース押え」や「テフロン押え」などのアタッチメントがあると、滑らず縫うことができます。
これらの押え金がなければ、押え金の裏に当て紙を敷いたり、シリコンを塗ると縫いやすくなります。
ミシン針について
ビニールレザーを縫うミシン針は?
針はレザー用のミシン針を用意します。ミシン針は、家庭用ミシンと工業用ミシンで異なるので注意が必要です。
ミシン針メーカーのオルガン針では、型番「HA×1LL」がレザー用ミシン針になります。「HA」は家庭用ミシンの針であること、「LL」は針先の形状のことを示しています。
家庭用ミシンと工業用ミシンの針の違い
型番「HA」である家庭用ミシン針と、工業用ミシン針の違いは、針の軸(根元)の形状です。
針の軸を断面にすると、工業用は円形、家庭用は半円形になります。
これは家庭用ミシンでの針の取り付けに間違いがないようにするためで、軸の平らな面を向こう側に向けて取り付けるのが一般的です。
菱針で立体的な美しいステッチ
型番「LL」であるレザー用のミシン針は、針先の形状が菱形になっている菱針です。
縫い目が真っすぐな通常の丸針に比べ、菱針は縫い目が斜めになります。また、針先に角があり刃物のようになっています。
革を切りながら縫うので、布地より堅いレザーでも針が通りやすいのが特長です。糸の締まりが良く、斜めの縫い目が立体的で美しいステッチになります。
針の太さは「#」の後に続く数字で表示され、数字が大きいほど針径が大きくなります。薄地のレザーには#11、厚地のレザーには#14~#16の太さが良いでしょう。
ビニールレザーを縫う糸とコツについて
ビニールレザーを縫う糸は?
糸は針と逆で、番号が小さいほど太くなります。
レザーには20番~40番程度の絹糸、またはテフロン糸を使用します。革の厚さに合わせて、針と糸の太さを選びましょう。
また、強度があり、滑りやすく縫いやすいレザークラフト用のミシン糸も市販されています。
カラーバリエーションも豊富なので、レザークラフトらしい「魅せるステッチ」が楽しめますね。
ビニールレザーをミシンで縫うコツ
ビニールレザーを2枚合わせて仮縫いするのは、厚みもあり大変です。
マチ針で留める方法もありますが、レザーがズレてしまう場合は、ホチキスで仮留めすると簡単です。
ステッチは、縫い目が大きい方がカッコよく仕上がります。薄いレザーなら3㎝間に9~11目、厚いレザーで7~9目程度のステッチ幅を目安にすると良いでしょう。
縫い始めと縫い終わりの返し縫いは、ミシンの返し縫い機能を使うと上手くできないことがあります。返し縫い機能を使わず、縫い返し箇所ではレザーの向きを反転させ、常に前進で縫うことをおすすめします。
レザーが重なって厚さがある部分では目飛びしやすいので、はずみ車を手動で回しながら縫うと失敗しません。
簡単に作れるレザーアイテム
まずは直線縫いで作れるものから始めてみましょう。
札入れやブックカバー、ポケットティッシュケースなどがおすすめです。慣れてきたら曲線縫いにも挑戦してみてください。
耐水性のあるビニールレザーは、バッグや帽子などにも向いています。市販の型紙を利用すると簡単ですね。
ハトメリングやカシメ、ファスナーなどの副資材を利用すると、レザーアイテムの幅もぐっと広がります。
本革の風合いのようなビニールレザーもあり、いろいろなレザークラフトが楽しめます。
ビニールレザー
(フェイクレザー・合皮)
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