日本の伝統行事に欠かせない!緋毛氈とは?
茶道の茶席やひなまつりの雛飾りで目にする赤い敷物、これが緋毛氈です。毛氈という日本の伝統敷物の中でも、とくに緋色(ひいろ)の毛氈を指します。舞台や式場、お寺や神社でも見かけたことがあるのではないでしょうか。今回は、緋毛氈の使用用途、厚み、代用できる敷物、メリットなど、緋毛氈についてご紹介します。
緋毛氈とは
獣毛で作られた、緋色(ひいろ)の毛氈
緋毛氈とは、緋色(赤)の。毛氈そもそも。毛氈の獣毛を素材にしたフェルト状の敷物を指します。毛氈には、ウール100%(純毛)や、他の素材をミックスした混紡のものがあり、伝統的な高級敷物として古くから使われてきました。
毛氈の中でも緋毛氈は、現在の伝統行事でも特に広く使われています。寺院や神社の廊下や、雛飾り、結納、お茶席を華やかに彩るアイテムとして活躍しています。
ちなみに、現存する日本最古の緋毛氈は東大寺の正倉院に所蔵されています。獣毛と木綿糸などが混ざった布地の毛氈です。
緋色(ひいろ)はどんな色?
濃くて明るい、ややオレンジがかった赤色
緋色は濃くて鮮やかな赤色です。ややオレンジがかった色味で、スカーレットとも呼ばれています。緋色には魔除けと生命力の意味があり、緋毛氈は古くから日本の伝統行事に使われてきました。
また、色彩心理学では、赤い色は時間を早く感じさせて満足感を与えたり、食欲を増進させたりします。
緋毛氈は、和の空間だけでなく、イベント会場や飲食店の装飾にもおすすめです。パッと注目を集める色味なので、思い出や印象にも残りやすいという特長も。伝統行事や大きなイベントだけでなく、ホームパーティや誕生日会の敷物としても活躍します。
緋毛氈の用途
舞台、高座、寺院、神社、雛飾り、茶席など
緋毛氈は、舞台、高座、式場、寺院、神社などあらゆる場所で使われています。桃の節句ではひな壇に、茶道では茶席に、旅館ではお客様の廊下に、和の空間の伝統敷物として用いられます。
緋毛氈を敷くのと敷かないのとでは印象も全く異なります。鮮やかな緋色は、パッと目を引きますし、見た目も華やかで特別感を演出してくれます。イベントや行事ならではの特別な雰囲気は、緋毛氈を敷いているからこそ生まれるといっても過言ではありません。
緋毛氈は、羊毛などの獣毛を原料に作られているので、クッション性があり、柔らかな肌触りで使い心地も抜群です。晴れやかな見た目と機能性も兼ね備えているので、伝統行事には欠かせないアイテムになっています。
緋毛氈の厚み
1mm、2mm、3mm、5mmが一般的!
緋毛氈の厚みは、1mm、2mm、3mm、5mmが一般的です。厚くなるほどクッション性があり、座り心地・歩き心地が良くなり高級になります。薄いほどサラッと扱いやすく、リーズナブルになります。
雛人形を飾るときや、人の通路には厚みのある緋毛氈がおすすめです。万が一、人形や飾りが倒れたりしたときも安心ですし、クッション性のある方が歩きやすいです。
イベントや飲食店の装飾としてお使いの場合は、薄手の緋毛氈が扱いやすくなります。広範囲に敷いたり、その都度片付けたりする際、薄手の緋毛氈の方が軽くて扱いやすく、厚手の緋毛氈よりも場所をとりません。
毛氈風フェルトで代用
リーズナブルで気軽に揃えられる!
毛氈風フェルトとは、本物の毛氈のような風合い・質感を再現した敷物のことです。
純毛や混紡の緋毛氈は、見た目も使い心地も上質な敷物ですがその分高級になります。毛氈風フェルトなら、毛氈の良さを残したまま、よりリーズナブルに揃えることができます。素材には、レーヨンやポリエステルといった化学繊維・合成繊維が使われています。
和風のパンチカーペットとして気軽に取り入れやすく、両面テープで簡単に施工できるので、緋毛氈の代用にもおすすめです。
緋毛氈のメリット
とにかく華やかで印象に残る、特別感!
緋毛氈を敷くと、見た目が華やかになり、特別感が出ます。また、鮮やかな赤色なので注目を集めやすく、印象に残るのもメリットです。ひなまつりや結納など日本の伝統行事やおめでたい席で使われていると、しっかりと記憶に残りますよね。
緋毛氈は和の空間だけでなく、飲食店やイベントの装飾にもお使いいただけます。特別な伝統行事だけでなく、日頃のちょっとしたパーティーやお誕生日の席に敷いてみても一層盛り上がりますよ。
緋毛氈は、濃くて明るい鮮やかな赤色の毛氈を指します。茶室や式場、寺院や神社などあらゆるシーンの装飾に欠かせないアイテムです。その他、雛飾りや書道など、和の空間の伝統的な敷物として使われています。
1mm~5mmなど、用途に応じて厚みも選べます。また、無地だけでなく和の模様があしらわれたゴージャスな毛氈もあります。
パッと目を引く緋色は、空間を華やかに彩り、注目を集めるので行事やイベントにピッタリです。