艶の有無による特徴の違いを知ろうペンキのツヤあり、ツヤ消しの選び方
塗装DIYで色選びと同じくらい仕上がりを左右するツヤの有無。見た目だけではなく、それぞれに長所と短所があります。ツヤあり塗料は汚れにくいけど、刷毛ムラが目立つ。ツヤ消し塗料は汚れやすいけれど、初めてでもきれいに仕上がったように見えるなどなど…塗装する場所や用途に合わせてツヤの有無を選ぶことはとても重要です!
ペンキはツヤありが基本!
塗料のほとんどの商品は艶ありです。
ペンキ(ここでは、白や他色の下地を覆い隠す塗料のことを意味します)には、たくさんの種類があり、その用途に応じていろいろなバリエーションがあります。
一般的な用途のペンキのほとんどがツヤありタイプです。これは、ツヤありの方がきれいな状態を保ちやすいためです。「つや消し剤」という成分が塗料に配合されることにより、ツヤ消し塗料となります。
また、その配合率によって、ツヤの強さを調整することも可能で、商品によっては、「ツヤあり」、「九分艶」、「七分艶」、「半艶」、「三分艶」「艶無し」などと細かく分かれている塗料もあります。
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- ツヤ消し塗膜の表面の特徴
- もともとペンキは、アクリルやウレタンを主成分としたプラスチックのようなもの。表面はツルツルとした肌触りで、光沢があります。これにツヤ消し剤を配合することで、塗膜表面が荒れ、小さな凸凹をもった表面となります。肌触りは紙のようにさらさらな状態になります。
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- ツヤ消し塗膜が汚れやすい理由
- ツヤあり塗料は汚れにくく、ツヤ消し塗料の塗膜は落書きや手垢などの汚れが付着しやすいという特徴があります。これは汚れの成分が塗膜表面の細かい凸凹に入り込んでしまうためです。ツヤありの塗膜は表面がツルツルしているため、汚れが付着しても落としやすくなります。ちなみに、自動車にツヤ消しのラインナップがないのは、付着した汚れが落としにくいためです。
ツヤ消し塗料のメリット
見た目の好みだけじゃない、ツヤ消しのメリットとは
ツヤあり塗装・ツヤ消し塗装の光の反射を表現したのが上の図です。
ツヤあり塗膜は、光を鏡のように反射します。ツヤ消し塗膜は、当たった光があらゆる方向に乱反射します。
色の見え方の違い
ツヤ消し塗膜は、乱反射によりどの角度からみても同じように光を反射しているため、どの角度から見ても一定の明るさに見えます。一方、ツヤあり塗膜はある角度から見たときに反射された光が非常に明るく見えて、他の角度の時には反射した光が目に入らないため暗く見えます。
この違いにより、全く同じ色の塗料でも、光の乱反射が無い「ツヤあり塗装」の方が色が濃く見えます。
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- 最大のメリットは、凸凹が目立たないこと
- アルミホイルと紙。くしゃくしゃに丸めてから伸ばした時、しわが分かりにくいのは紙ですね。紙は表面に細かい凹凸があり光を乱反射するため、表面がツルツルなアルミホイルに比べ、しわが目立ちにくくなります。塗装は完全な平滑に仕上げることは不可能で、刷毛を通した跡などが凸凹となって残ります。この刷毛等の跡が目立たないのがツヤ消し塗料の最大メリットです。
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- ビニール壁紙の上に塗るときは、
必ず、ツヤ消し塗料を塗りましょう! - ビニール壁紙には可塑剤と呼ばれる成分が配合されていて、その成分が壁紙の弾力性をキープしています。一般的なペンキを壁紙に塗ると、その可塑剤がペンキに染み出てきて、塗装表面がベタベタするなど、塗装不良を起こします。ツヤ消し塗料に配合されているツヤ消し剤には、この可塑剤の染み出しを抑える効果もあります。
- ビニール壁紙の上に塗るときは、
選び方まとめ
初めて塗装します!という方にはツヤ消しのほうが刷毛ムラなどが目立ちにくくお勧めです。
一方、「木製フェンスを白く塗りたい」というような、汚れる環境だけど、汚れたくない場合はツヤありがお勧めです。さらに水性より、油性のほうがツヤあり塗料は格段にきれいに仕上がる特徴があります。もちろん、その分汚れにも強くなります。
ツヤ消しは初心者に向いている一方、塗り重ねには注意が必要です。特に透明のニスの場合、つや消し剤は塗り重ねることによって白濁することがあります。ニスを塗り重ねるときは、順に「ツヤあり」、「ツヤあり」、「ツヤ消し」のように最後の一度だけツヤ消し塗装で仕上げることが必要です。
おすすめの「つや消し塗料」
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雨が降るたびに塗膜と汚れの間に雨水が入り込み、汚れを浮かせて流す優れもの。つや消し白でもキレイが持続!
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