人工芝の耐久性とお手入れ方法

人工芝の耐久性(耐候性)・耐用年数は?長持ちさせるための正しいメンテナンスは?

人工芝の耐久性とお手入れ方法

天然の芝は水やりや芝刈りなど定期的な手入れが必要ですが、人工芝なら一年中枯れることもなく、青々とした芝の庭を楽しむことができます。そこで知っておきたいのが人工芝の耐久性。人工芝の耐用年数(耐久年数)やお手入れ、水はけのことなど、長持ちさせるための日頃のメンテナンスが気になりますよね。人工芝をより長く綺麗なまま保つために、その耐久性や簡単なメンテナンス方法をご紹介します。

  • 人工芝の耐久性とお手入れ方法
  • いつも青々とした芝のある庭。
    子どもとキャッチボールをしたり、愛犬が駆け回ったり、海外の庭のようで憧れますね。天然の芝は水やりや芝刈りなどお手入れも大変ですが、人工芝であれば一年中枯れることもなく、青々とした芝の庭が実現します。庭だけでなく、ウッドデッキやベランダ、玄関周りやアプローチまで、外構のさまざまな空間で活躍するでしょう。
    しかし耐久性や水はけ、日頃のメンテナンスが気になるところです。人工芝をいつまでも美しく維持するためにも、その特性を知り、お手入れ方法をマスターしましょう。

人工芝の種類

  • 幅広い用途に使われる人工芝
  • 幅広い用途に使われる人工芝
    人工芝は、野球グラウンドやテニスコートに使用されるようなスポーツ専用のものから、景観を楽しむためのエクステリア用までさまざまな種類があります。パイルの長さも様々で、クッション性重視やリアルさを表現したロングパイルと、パターゴルフ用などでも使用されるショートパイルがあります。
  • スポーツ用の人工芝
  • スポーツ用の人工芝
    ロングパイルの人工芝はサッカーグラウンドなどに使用され、クッション材やゴムチップを充填した耐久性のある人工芝です。サンドグラスと呼ばれる砂入り人工芝は、主にテニスコートに使用され、摩擦を軽減させるために芝の表面に見える程度まで珪砂を充填しています。
  • エクステリア用の人工芝
  • エクステリア用の人工芝
    庭などに使用されるエクステリア用の人工芝は、砂やゴムチップを充填しないノンサンド人工芝です。 パイルは短いものから長いものまであるので、用途によって選ぶとよいでしょう。ホームセンターでよく見かける価格の安いものから、最近では本物に見間違えるほどリアルな人工芝もあります。

人工芝の水はけと耐久性

  • 人工芝の構造と水はけ
  • 人工芝の構造と水はけ
    エクステリア用の人工芝は、基盤になる下地と芝葉のパイルで構成され、雨が降っても水がたまらないように下地には水はけ用の穴があります。
    しかし人工芝に水はけ用の穴があっても、貼る場所の水はけが悪ければ意味がありません。人工芝を貼る場所の水はけを良くすることが肝心です。水はけが悪いと、害虫やカビの発生の原因ともなってしまいます。特に風通しの悪い場所は湿気がたまりやすいので、人工芝を貼る前に対処することが必要です。
  • 土の上に人工芝を敷く場合
  • 土の上に人工芝を敷く場合
    人工芝を土の上に貼る場合、普段雨が降ったときなど水たまりができる箇所がないかチェックしましょう。地盤が固かったり、水がなかなか染み込まない粘土質の土は、水たまりができやすいと言えます。
    水はけの良い土壌にするには、2つの方法があります。
【暗渠排水による方法】

砂利や穴の開いている暗渠パイプを地中に埋め、土に染み込んだ水を枡に排水させる方法です。土を掘って、勾配をつけながら排水路をつくります。砕石や砂利を埋めるだけでも排水しますが、さらに透水シートと暗渠パイプを埋めることで、より確実に排水させることができます。砕石は空隙のできやすい単粒度砕石や川砂利などをたっぷり使うことが重要です。

【表面排水による方法】

庭にたまる雨水は、90%が表面排水で側溝などに排水されます。人工芝を土に貼る場合は地面を固く踏み固めるので、雨水の浸透性も悪くなります。そこで、地面に勾配を付け、表面の水が枡や側溝に流れるようにします。

  • コンクリートの上に人工芝を敷く場合
  • コンクリートの上に人工芝を敷く場合
    外構にコンクリートを施工する場合は、必ず水勾配をつけます。傾斜は通常2~3%です。人工芝をコンクリート地面の上に貼る場合、既設のコンクリートの水はけ状況が良好であれば問題はないでしょう。一部に水たまりができてしまうようであれば、コンクリートを打設し直す必要があるかもしれません。
  • 人工芝の耐久性
  • 人工芝の耐久性
    人工芝の耐久性は一般的に7~10年と言われていますが、近年では性能も高くなり10年以上もつ人工芝もたくさんあります。値段が安いものより高いものの方が、やはり長持ちするようです。
    <目安としてこんな状態になったら交換時期のサイン>
    1. ・経年による変色が見られる。
    2. ・芝が擦り切れてしまったり、倒伏したまま戻らない。
    3. ・下地が浮いてきたり、シートの継ぎ目に隙間ができた。

人工芝の耐用年数(耐候性)

人工芝は、天然芝のような日頃の手入れ(メンテナンス)が不要なことが利点です。しかしながら、紫外線を浴び続けることによりパイル(芝葉)が変色したり、裂けて破れてしまったり、長期間使用することによる劣化は避けられません。そのため、数年で貼り替えが必要となります。

人工芝の屋外での耐用年数(耐久年数)は平均して7~8年程度と言われていますが、人工芝の種類によっては10~20年長持ちするものや、2年程度でパイル(葉)が劣化したり寝てしまう場合があり、材質や機能性、使用環境や敷く場所によっても耐用年数は変わります。

また、よく心配される葉の抜けについても、パイルが基布にしっかりと縫い留めてありますので簡単には抜けませんが、例えば犬が走り回ったり、芝の上でスポーツをしたり、直射日光が強い場所など、使用状況によっては葉が痛みやすく抜けてしまう場合もあります。

人工芝は天然芝のように枯れることは無く、一年中青々としていて美しさをキープしてくれます。面倒な手間や時間も必要ありません。人工芝の耐用年数を知り、用途・目的に合わせて使い方を工夫することで、より長く人工芝を活用することができます。

耐久性・耐候性の実験をしてみました!

では、実際に人工芝はどれほどの耐久性・耐候性があるのでしょうか...?
RESTAでは、人工芝のサンプルを約1年間屋外に放置し、どの程度変化するのかを実験してみました。実験場所は、日当たりの良い雨ざらしの屋上です。

結果は...まず第一印象としてショートパイルよりロングパイル人工芝の方が耐久性・耐候性が高いということがわかります。
劣化が少ない順(つまり耐候性が高い順)に並べると、
リアリーターフ®→MHG→CT-70M→量販店→WT-600の順になります。

ロングパイル:リアリーターフ®・MHG・量販店
葉丈の長いリアル人工芝は、色褪せ・葉の抜け・破れなどは無く、ほとんど劣化がありません。
ショートパイル:CT-70M・WT-600
ショートパイル人工芝は、色褪せや葉の抜けがあり、リアル人工芝に比べて劣化がはっきりとわかります。

【耐候実験1年経過後の結果】
  • リアリーターフ®40mm

    色褪せ、葉の劣化は見られず、鮮やかなグリーンの色味もふかふかの手触りも健在!

  • MHG(35mm)

    リアリーターフ同様、ほとんど劣化は見られません。色合いも毛並みもキレイです。

  • 量販店のリアル人工芝

    若干の色褪せと葉が寝ている感じは見られますが、葉の抜けなどはありません。

  • CT-70M(カラー人工芝)

    若干の色褪せと、手で撫でるとパラパラとパイルが落ちます。

  • WT-600

    劣化が著しく、手で触るとボロボロと破れてしまいます。

人工芝を長持ちさせるためのポイント

人工芝を施工する前の準備

人工芝を貼る前にしっかりと整地をすることが重要です。でこぼこした地面に貼ると、シートが浮いてしまったりズレの原因となります。 また土の上に貼る場合は、隙間から雑草が生えてこないように防草シートを敷きましょう。

人工芝を長持ちさせるための工夫

Point1:重量のある物を長期間置かない

植木鉢やガーデンファニチャー等、長期間重量のあるものを置いておくと、その部分のパイルが倒伏して戻らなくなってしまいます。人工芝の上に重いものを置いている場合は定期的に移動させ、葉をデッキブラシなどで起こしておきましょう。

Point2:定期的な掃除を心がける

パイル(葉)を起こしておくために、定期的にデッキブラシやほうきで掃きましょう。手ぐしだけでもやらないより効果的です。また、芝葉の隙間にゴミが溜まると見た目も悪くなるので、気づいたら掃除を心がけることが大切です。

Point3:車の走行は控える

車の走行は、ハンドルの切り替えしやブレーキをかけたりすることで、芝葉が切れたり折れて痛めてしまいます。

人工芝の日頃のお手入れ法

  • スポーツ用人工芝のメンテナンス
  • スポーツ用人工芝のメンテナンス
    スポーツ用の人工芝は、運動をするにあたって安全な状態を保つためメンテナンスがとても重要です。充填材が固結すると弾力性が損なわれ、走ったり転倒した時に怪我をする危険性が高くなります。また球技であれば、パイルが倒れた状態になるとボールの転がり方や弾み具合に影響を与えてしまいます。人工芝を使用している運動施設では、砂やゴムチップの充填をしたり、専用のメンテナンスマシンでパイルのブラッシングを行なっています。
  • エクステリア用人工芝のメンテナンス
  • エクステリア用人工芝のメンテナンス
    エクステリア用の人工芝はノンサンドタイプなので、充填材の補充が必要ありませんが、歩行が頻繁な場所は徐々に芝が倒伏してきます。ときどきデッキブラシなどでブラッシングをして芝葉を立たせましょう。
    土や砂は放置しておくと人工芝のクッション性を損ねたり、水はけ用の穴を目詰まりさせてしまいます。定期的なブラッシングに加え、掃除機で吸い取ることも有効的です。
    変色を防ぐためにもジュースなど飲料水などをこぼしたときは、早めに水で洗い流しましょう。
まとめ

近年、人工芝の耐久性・耐候性は、一般的に普及し始めた頃より上がっています。日本でも、高耐久・高品質の人工芝が認知され、高価なタイプを選ぶ方が増えてきています。耐久性に優れ、より長持ちする高品質なものを選んだ方が、結果、コストパフォーマンスの向上に繋がるからです。
抗菌・抗UVなど機能性に優れたタイプや、基布(バッキング)にウレタンコーティングを施した丈夫で水に強いタイプなど、10年以上の耐久年数が期待できる人工芝もあるので、品質とコストのバランスを考慮した上で、最適な人工芝を選びましょう。

施工前の整地と簡単なお手入れが長持ちをさせるコツ!

このように人工芝は、貼る前の整地と日頃の簡単なお手入れで長持ちさせることができます。日当たりを気にしなくていいことも大きなメリット。庭やベランダなどいろいろな場所に利用できます。天然の芝のような手間のかかるメンテナンスは必要ありませんが、こまめな掃除を心がけ人工芝で緑のある空間を楽しみましょう!

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