人工芝の下に防草シートを敷く理由

「庭に人工芝を敷くだけで雑草対策になるのでは？」と思う方も少なくないと思いますが、人工芝だけでは、雑草が生えてくるのを完全に防げません。写真は、防草シートを敷かず、土の上に直接人工芝を施工してから約１年後の様子です。雑草は、日光とわずかな水分があれば生育できるので、人工芝の継ぎ目（ジョイント部分）や水はけを良くする為の小さな穴（透水穴）から雑草が生えてきてしまいます。
人工芝の隙間から生えてきてしまう雑草を防ぐためには、人工芝の下に防草シートを敷き、日光を遮断する必要があります。防草シートを敷くことで、雑草が育ちにくい環境を作ることができます。

通常、人工芝を施工する前には、大きめの石ころがあれば除去し、地面に目立つ凹凸がある場合は砂を入れ平らに均すなどの整地を行います。しかし、土の地面では、わずかな凹凸がどうしても残ってしまうため、人工芝の継ぎ目が目立ってしまったり、段差ができてしまうことで仕上がりの見た目が悪くなる場合があります。また、大雨などが原因で、人工芝の継ぎ目の隙間から土が出てきてしまったり、一部分だけ沈下してしまうとメンテナンスも大変になります。
人工芝の下に防草シートを敷くことで、メンテナンスがしやすくなり、よりきれいな芝空間を保つことができます。また、人工芝と砂利を併用して庭レイアウトする場合、砂利の沈下防止にも役立ちます。

庭に人工芝を施工する際、U字ピンで人工芝を地面に固定するだけでは、浮きやめくれの原因となります。
まず、防草シートを敷いて仮固定し、人工芝の裏面に専用ボンドを塗布してから防草シートに貼り付けるように敷き、最後にU字ピンで防草シートと人工芝を一緒に地面に固定します。そうすることで、ピンの抜けや人工芝の浮き・めくれを防止できます。防草シートは、雑草を抑制するだけではなく、人工芝の下地シートとしても重要な役割があります。
土の上に人工芝を施工する場合の下地は、巾の狭いジョイントシートではなく、巾広（1m以上）の防草シートを施工場所全体を覆うように敷くのがポイントです。

人工芝の裏面（バッキング）は、一般的にラテックス素材のものと、耐水性・耐久性に優れたウレタンコーティング加工されたものがあります。人工芝を土の上に直接敷いた場合、裏面が泥水や小さい石ころなどに直接触れてしまい傷みやすくなります。また、人工芝の継ぎ目から泥水が表に出てきてしまい、パイル（葉）が土で汚れてしまったり、湿気の影響も受けやすくなることで交換時期が早まってしまうかもしれません。
防草シートは、繊維で作られた人工芝にやさしい素材なので、地面（土）と人工芝の間に敷くことで、人工芝の裏面を守ってくれる役割もあります。